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日本代表 6年前

「最悪の悪夢」。ハリルホジッチ前日本代表監督は何を語ったのか?【記者会見全文】

text by 編集部 photo by Getty Images

「3年前から誰とも問題はなく、特に選手との問題はありませんでした」

 オフィスに行って仕事をすることもあれば、視察に行くこともある。それは国内組も海外組も同じです。そうして毎週月曜日になりますと、スタッフ全員とミーティングをしました。スタッフたちと一緒に50人ほどの選手のリストを作っていて、報告書を作っていきました。たとえばメディカルレポートであれば、故障した選手がいればすぐに連絡をとってどんな状況か聞いたり、スタッフとのコミュニケーションに問題があれば、すぐに連絡をとってきたわけです。

 そして代表チームのための合宿や練習をしますが、合宿となればいつスケジューリングするか、どうやっていくか、スタッフにして50人ほどいたんです。そのスタッフ1人ひとりに仕事があって、それをやっていました。ですからたくさんの方々にこういった形で仕事を3年間やってきてくれたこと、ありがとうと伝えたいと思います。

 ありとあらゆる練習の場面でも、ありとあらゆる遠征や移動でも、完璧でした。こうした練習をしっかり準備して、どういったプランニングでやるのか。公式戦や親善試合の準備、調整、私の人生を通してここまでやる気で、みんなが規律正しくやってくれることがあるんだと、これまで人生で見てきたことがありませんでした。こうした練習の中身にしても、選手の集中力、質の高さに対しても、本当に素晴らしくて、ビッグなブラボー、ビッグなメルシーを申し上げたいと思います。

 3年前から誰とも問題はなく、特に選手との問題はありませんでした。というのは本当に常にコンスタントに選手たちと連絡を取り合っていた。つまり海外組だろうと国内組だろうと。何度海外組の選手と電話で話したことでしょう。国内組もそうです。連絡を取り合って、コミュニケーションをコンスタントに取り続けていました。そしてそれぞれが誰とどういう話をするのか、どのコーチにしても、誰とどういう話をしなくてはならない、どんなメッセージを伝えなければいけないか。

 代表の試合をしていてもオフィスを常に設けて、選手と話し合いをできる場を作っていました。私のアシスタント、いろいろと話し合うことで、調整できるようにしていました。ですからGKコーチはGKの選手たちと、アシスタントコーチは誰と連絡をとると決まっていて、私はもっと違う形で彼らと連絡をとりました。

 この3年間、みなさまがしっかりと証人になってくださると思いますが、人前で選手の誰かを批判したことはただ一度もありません。批判するならハリルを批判してくれと言ってきました。

 私から何か言いたい時はちゃんと面と向かって言うようにしていました。ストレートな物言いに慣れていない選手もいたかもしれません。でも、私にしてみれば選手たち、このチームに対する思い入れは、強かったのです。皆さんもご存知の通り、たとえば23人を呼んで編成していても、23人全員が試合に出られるわけではない。それは日本だけではありません。

 ですから、まさに歴史的な勝利でオーストラリアに勝って、ワールドカップの予選を通過したあの試合の後ですら、2人の選手ががっかりしていた。試合に出なかったことで。その前は何年も試合に出ていたわけです。それでがっかりしていること自体、私は悲しく思いました。すごく練習したんです。個人的にも2ヶ月間、休みも取らず働いていました。

 もちろん休みは取ろうと思えばいつでも取れますが、私が日本に来たのはチームを育てるためだったので。人々が私に頼んだのはワールドカップの予選を突破することで、それが終わったらいろいろやりましょうと話していたんです。そして首位で通過しました。

 我々がいたグループはそれは大変なグループでした。皆さんの中には当たり前じゃないか、日本はいつも予選を突破してきたからという方もいるかもしれませんが、そんなことはありませんでした。守備も攻撃もベストでした。歴史に残るような試合もしたんです。それはこんなことが初めてだったんでしょう。初戦を落として予選を突破することは。オーストラリアに勝ったんですから。

 全員がパニクっていました。特にハリル、若い選手を起用するじゃないかという時の皆さんのパニクりぶり、それにもかかわらず素晴らしい勝利を勝ち取りました。そしていろいろと疑問に思っていた人々が、つまりはそこで抜きんでた。

 彼らで大丈夫かと思っていた選手が抜きんでた力を発揮してくれた。こんな若い選手を呼んでいいのかと納得していらっしゃらない方もいました。UAEに日本代表がアウェイで初めて勝った。もう1つの歴史的な勝利がブルガリア戦の勝利で、7-2で勝った。

 ヨーロッパのチームにそれだけの差をつけて勝つのは今までなかったことなんです。本当に色々な意味で成功してきたのがこの3年間でした。それでもみんな満足できない。私自身は満足以上のものがありました。

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