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日本代表 6年前

武藤嘉紀が見せたスイス戦への自信と覚悟。ドルトムント戦のゴールが持つ意味とは?

日本代表は9日、ワールドカップ出場国のスイスとテストマッチを行う。現状、1トップには大迫勇也が起用されることが予想されるが、武藤嘉紀も定位置奪取を目指している。所属するマインツで見せた好調を代表でも発揮できれば、ポジションを奪うことも不可能ではない。(取材・文:元川悦子【ルガーノ】)

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

後半からメンバー大幅入れ替えの可能性も

武藤嘉紀
日本代表の武藤嘉紀【写真:田中伸弥】

 7日朝に2018年ロシアワールドカップ直前合宿地のゼーフェルトからスイス・ルガーノへ移動した日本代表。夕方18時から8日のスイス戦の会場であるスタディオ・コルナレードで前日練習を非公開で行った。

夕方になると涼しくなるゼーフェルトと違い、湖畔の町・ルガーノは気温25度超の蒸し暑さが夜も続く。この気候は難敵だが、標高は273mと圧倒的に低い。高地で追い込んだ選手たちの走力を含めたフィジカルコンディションは確実に上がってくるはずだ。

 そんな中、日本はワールドカップ出場国の強豪・スイスに挑むわけだが、西野朗監督は「この試合は『仮想・ポーランド』ではない。全てコロンビア戦に対するゲーム」と初戦に全精力を注いでいることを改めて強調した。

 今回、基本布陣を4-2-3-1に戻すのもコロンビア戦を視野に入れたトライの一環。日本にとって4バックは長年積み重ねてきた成熟度の高いシステムだけに、これを崩されてしまうと深刻な事態に陥りかねない。

 最終ラインを統率する吉田麻也、ボランチに入る長谷部誠らを軸にしっかりと組織を固める必要がある。前線からプレッシングに行けないと判断したら、思い切って自陣に引いてブロックを作るといった勇気と大胆さも求められてくる。守備にメドをつけることは、スイス戦の最重要テーマになるだろう。

 そのうえで、攻撃をどうすべきか考えなければならない。2018年の日本代表の流れの中の得点は3月のマリ戦(リエージュ)で中島翔哉が奪った1点のみ。その中島もメンバー外となっていて、誰がスイスの堅守をこじ開けるかは非常に大きな注目点になる。

 今回のスタートは1トップ・大迫勇也、右MF原口元気、左MF宇佐美貴史、トップ下・本田圭佑という前線4枚の組み合わせになりそうだが、後半からはメンバーがガラリと変わる可能性が高い。指揮官も1トップに武藤嘉紀、トップ下に柴崎岳、左MFに乾貴士を投入する意向を持っている様子。

 この中でも、先月30日のガーナ戦(日産)でチーム最多のシュート3本を放ち、得点への貪欲さと泥臭さを前面に押し出した武藤には大きな期待が寄せられる。

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