31歳、遅咲きのストライカー。“守備のチーム”スウェーデンが上昇気流に乗るためのキーマン【西部の目/ロシアW杯】

ドイツ、メキシコ、韓国と同居するグループFは“死の組”と言われた。そのグループを首位通過したのがスウェーデンだ。スウェーデンは、堅守を武器とするチームだが、それを勝利につなげるためには決定力のあるFWが不可欠となる。そして、ズラタン・イブラヒモビッチが代表から退いた今、31歳の遅咲きストライカーが鍵を握る。(文:西部謙司)

2018年07月03日(Tue)15時00分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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予選11試合8ゴールの得点力

マルクス・ベリ
スウェーデン代表のマルクス・ベリ【写真:Getty Images】

 スウェーデンは守備のチームだ。4-4-2の守備ブロックはゾーンディフェンスの教科書のようなラインを形成する。定規で引いたような整然としたラインには北欧らしい機能美がある。

 慌てず騒がず、淡々とポジションに立つ。もう少しアグレッシブにボールを奪いにいっても良さそうにも思えるが、あくまでも守備の原則に則って動く。それでやられてしまうこともあるけれども、防げる確率のほうが高いと計算しているのだ。規則的なスウェーデンの守備には常に弱点も存在するが、そもそも完全無欠の守備はありえない。腹をくくった合理性が彼らの持ち味である。

 守備が計算できるスウェーデンは一定の成果を期待できる。強豪を相手にしても、とりあえず試合にはなる。接戦に持ち込むことはできる。強豪に囲まれたヨーロッパで、スウェーデンは善戦向きのチームだ。善戦どまりで終わらないためにカギを握るのが攻撃力であり得点力となる。

 泣く子も黙るズラタン・イブラヒモビッチがいても成果を上げるのは難しかった。しかし、ロシアワールドカップ予選ではフランス、オランダと同居するグループを戦い抜き、プレーオフでイタリアを蹴落として出場権をつかんでいる。攻撃は相変わらず長身2トップへのハイクロスとカウンターなのだが、抜群の得点力でチームを押し上げたFWがいたのは大きい。マルクス・ベリ、31歳。11試合で8ゴールを叩き出している。

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