効果的なプレーと結果を両立
日本代表は決勝トーナメントのラウンド16でベルギーと対戦し、後半の立ち上がりに原口元気と乾貴士のゴールで2点をリードしたが、そこから3失点して逆転負け。W杯初のベスト8はならなかった。
リードしてからのゲームコントロールや最後の逆転負けを招いたCKの裏のカウンター対応など、突きつけられる課題はあったものの、後半に立て続けにゴールしただけでなく、多くのチャンスを作り、2つの得点を決めたことは日本サッカーにとっての大きな自信になる。その流れをもたらしたのが香川真司の効果的なプレーだった。
この日も4-2-3-1のトップ下に入った香川はディフェンスで相手の組み立てを限定しながら、攻めてはヴィツェル、デ・ブライネが構える中盤の間、間に顔を出して柴崎岳や長谷部誠からパスを引き出し、時に1トップの大迫勇也とほぼ同じ高さまで上がり、オフ・ザ・ボールで相手の3バックに揺さぶりをかけることで周囲に味方のプレースペースを提供した。
「やっぱり10番って最終的に得点をするか、アシストするか、そこだと思うんで。いくらいいプレーをしたとしても結局はそこで判断される」
そう語る香川だが、まずチームに効果的なプレーをした上に結果を求めるというタクティカルな意識がベルギー戦でも表れていた。後半の立ち上がりに2得点を奪う流れにも効果的な動きを見せていた。
原口元気のゴールにつながるシーンでは乾が自陣でムニエからボールを奪い、パスを受けた柴崎岳が右ワイドを走る原口を生かす形になったが、このカウンターのシーンにおいて香川は中央から乾のサイドの前方に流れることでベルギーのディフェンスを分散させた。