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日本代表 6年前

日本代表が患う“頭痛”と拭えない不安。結果は残したが…世界に乗り遅れた世代交代の波【検証・西野J<4>/ロシアW杯】

シリーズ:検証・西野J text by 元川悦子 photo by Getty Images

ピッチ上の最年少は25歳。若い世代を組み込めるか

 こうした国々に比べると日本は明らかに若返りが遅れている。その大役を霜田正浩前日本サッカー元強化技術委員長に託されたハリル前監督は、最終予選から大島僚太や久保裕也、浅野拓磨、井手口陽介、中島翔哉ら2016年リオデジャネイロ五輪世代を積極起用。「ビッグ3」と呼ばれた本田、岡崎、香川を最終予選後には揃って外して一気に世代交代を推し進めようとした。

 しかし西野朗監督は「実績」「国際経験値」「影響力」を重視したから、ロシア本大会では久保、浅野、井手口、中島が落選。メンバー入りした大島や遠藤航、植田直通らが揃って試合出場の機会を得られなかった。

 今回ピッチに立ったメンバーの中で最年少だったのは25歳の昌子源。彼が守備の大黒柱の1人に成長し、同じ92年組の柴崎岳が新司令塔として十分やっていけることを示したのは収穫だったが、本当にここから若い世代をどのように日本代表に組み込んでいくかというのは、非常に頭の痛いテーマになったと言わざるを得ない。

 2020年東京五輪代表の森保一監督がA代表も兼務するようになるのなら、東京世代の何人かがA代表に上がり、国際経験値を積む形が進むだろう。東京世代には20歳の堂安律、21歳の伊藤達哉、17歳の久保建英、19歳の冨安健洋、19歳の伊藤洋輝のように将来性を高く評価されているタレントがいるから、彼らを強引にでも引き上げていくことは確かに必要だ。

 仮にA代表指揮官に森保監督が就任せず、噂が出ているユルゲン・クリンスマン監督、あるいは別の外国人監督が就いたとしても、同じくらい強引な若手抜擢が求められてくる。そうしなければ日本の国際競争力は養われない。少なくとも最終予選が始まる2020年東京五輪直後には、この世代から複数のメンバーがA代表に昇格し、中心的な役割を担えるようになっていなければ、厳しいはずだ。

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