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フランス、理想的な強さの秘訣。根源にプラスαの存在、ベルギー戦勝利のカギはチャレンジャー精神【ロシアW杯】

現地時間10日にロシアワールドカップ準決勝、フランス対ベルギーの一戦が行われる。20年ぶりの優勝へ向け勢いに乗るレ・ブルーの強さの根源には一体何があるのだろうか。デシャン監督がもたらしたプラスαとは。(文:小川由紀子【フランス】)

text by 小川由紀子 photo by Getty Images,Yukiko Ogawa,requipe

新たな選手たちがもたらすプラスα

ディディエ・デシャン
パリ市内のバス停の広告にはデシャン監督が。国内の感心の高さが伺える【写真:小川由紀子】

 フランスフットボール連盟(FFF)が掲げていた、この大会が『成功だった』と呼べるボーダーラインは、ベスト4入りだった。10日、準決勝でベルギーと対戦するフランス代表は、ひとまずその目標はクリアしたことになる。

 現時点では、『さて優勝だ!』という勢いは現地の報道でもあまり見られない。キリアン・エムバペの爆発的なプレーなどで計4得点と沸かせたラウンド16のアルゼンチン戦以外は、圧倒的な強さを発揮、という印象が薄いからか、一歩、一歩、まずは次の対戦、という感じで、今はとにかくベルギー戦に勝利することだけに、みなの期待が注がれている感じだ。

 それでもここまで確実に勝ち進んでいるのは立派な成果。そしてそこには、いくつかのポイントがある。

 筆頭に挙げたいのは、新たにチームに加わった選手たちがもたらしているプラスαだ。

 アントワーヌ・グリーズマンやポール・ポグバ、あるいは彼らの先輩にあたるオリヴィエ・ジルーやウーゴ・ロリスら、2年前のEURO2016でも主力だったメンバーをベースに、予選を勝ち抜いてきた選手たちが今大会でも中心的な戦力であることに変わりはない。

 しかし、そこに予選後に新たに招集された選手、MFスティーブン・エンゾンジや、DFバンジャマン・パヴァール、今年3月に初招集されたばかりのDFルーカス・エルナンデス、あるいは、以前から何度か招集はされていたが、定着はしていなかったMFコランタン・トリッソにMFナビル・フェキルが本戦出場メンバーに加わり、その彼らが、実に良いアクセントになっている。

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