エムバペの底知れぬ才能はアンリ、ロナウドに比肩。フランスが採るワンダーボーイのための布陣【西部の目/ロシアW杯】

 ロシアワールドカップで準決勝進出を果たしたフランス代表にあって、キリアン・エムバペは大きなインパクトを残している。爆発的なスピードはチームの武器となっており、仲間も監督もこの若者に大きな期待を寄せる。エムバペは準決勝でも力を発揮し、フランスを決勝へ導くことができるだろうか。(文:西部謙司)

2018年07月10日(Tue)15時00分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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順応の速さ

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キリアン・エムバペ【写真:Getty Images】

 ラウンド16で2ゴールしたキリアン・エムバペは新世代のスーパースター候補だ。アルゼンチン戦の前半11分にPKを獲得したドリブル突破のスピードは世界中を驚嘆させたに違いない。1998年大会でのマイケル・オーウェンを思い出させる高速ドリブルだった。

 ASモナコで彗星のように現れ、1シーズンでエース格に。次のシーズンには開幕直後にパリ・サンジェルマンへ移籍した。モナコではラダメル・ファルカオとの2トップで、エムバペは左側を中心にプレーしていた。PSGはネイマールが左ウイングにいるので、エムバペは右へ回された。慣れないポジションでどうかと思ったが、たちまち順応してフランス代表でも右サイドを担当している。

 よく比較されるティエリ・アンリも左サイドが得意だが、1998年大会では右でプレーしていたこともある。アンリ、エムバペはともに十代で代表入りした逸材だが、実績のある先輩プレーヤーがいたためにポジションを変えたわけだ。ただ、当時のアンリよりもエムバペのほうが上手く順応していると思う。

 PSGではネイマール、カバーニがいる。エムバペもある程度は遠慮しなければならないところもある。しかし、逆に2人へのパスを覚えてプレーの幅を広げた。スピードが印象的だけれども、柔らかいキックやスルーパスもエムバペの武器になっている。足も速いが成長も早い。

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