“得点王”ハリー・ケインに見るW杯の今。必要なゴール+α、『個』への依存では勝てない【西部の目/ロシアW杯】
1990年大会の4強進出を果たしたイングランド。惜しくも決勝進出はならなかったが、現地時間14日に3位決定戦に臨む。ハリー・ケインはここまで6得点を挙げ、得点王に最も近い存在だ。さらなるインパクトを残して大会を終えたいところだが、ケインはゴールだけを追い求める選手ではない。(文:西部謙司)
2018年07月14日(土)11時00分配信
得点王は間近?
ワールドカップの得点王は3位のチームから出ることが多い。
前回大会の得点王ハメス・ロドリゲスのコロンビアはベスト8だったが、2010年は3位ドイツのトーマス・ミュラーが5ゴールで得点王だった。5得点は他に3人いて、ダビド・ビジャ(スペイン)、ヴェスレイ・スナイデル(オランダ)、ディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)と4強から1人ずつ最多得点者を出していた。
2006年も3位ドイツのミロスラフ・クローゼが5得点で単独得点王。2002年は優勝したブラジルのロナウドだったが、1998年は3位クロアチアのダボール・シュケルである。サルバトーレ・スキラッチ(1990年、イタリア)、グジェゴシュ・ラト(1974年、ポーランド)、ゲルト・ミュラー(1970年、西ドイツ)も3位チームが輩出した得点王だった。
今大会、ここまでのリーディングスコアラーはハリー・ケイン、6ゴールをゲットしている。4ゴールのロメル・ルカクがいるので安心はできないが、3位決定戦でルカクがハットトリック、ケインが無得点でようやく順位がひっくり返る状況なので、ケインの得点王はかなり高い確率で決まりそうである。
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