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代表 6年前

【決勝プレビュー】クロアチアはなぜ“黄金”なのか。満身創痍でも勝機あり、初優勝へのポイントは?【ロシアW杯】

text by 青木務 photo by Getty Images

リードされても怯まず、先制した時の勝ち方も知っている

 フランスは先行逃げ切り型。準々決勝、準決勝は序盤こそ相手にペースを握られるも、しっかり巻き返して最終的には危なげなく勝利を掴んでいる。一方、クロアチアは決勝トーナメントでPK戦にもつれこむなど死闘を経験。準決勝のイングランド戦も延長120分間を戦った。

 90分でゲームを終わらせてきたフランスと比べると1試合分多く戦ったことになる。疲労は隠せないだろう。そして、イングランド戦で貴重な同点ゴールを決めたペリシッチが左太腿を痛めた模様。左右どちらのサイドも高い次元でこなし、大会期間中に進化を遂げた背番号4が欠場となれば、大きな痛手となるに違いない。

 フランスに先制を許すと厳しい試合になる。ベルギーのロメル・ルカクさえ沈黙させた守備組織はレベルが高い。とはいえ、クロアチアにとってはビハインドになった時点で負けが確定するというわけでもない。相手のレベルが違うとはいえ、先制されても追いつく力強さは証明済み。これは自信になっているだろう。フランスにスコアを動かされたら難しくなることもわかっているはずで、安易に失点しないよう細心の注意を払って臨むはずだ。

 ここまでのクロアチアはある種、肉を切らせて骨を断つという戦いで勝ち進んできた。リードを許しても怯まない。疲労はあってもどこか余裕を感じさせる。また、直近3試合の戦いぶりから不屈のチームの感が強いが、グループリーグを3戦全勝で突破したように先制した時の勝ち方も知っている。シチュエーションに左右されることなくボールを動かし、丁寧に相手を揺さぶって勝負所で確実に仕留める。今大会で見せてきたスタイルをそのまま、フランスにもぶつければいい。

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