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日本代表 6年前

まさかの大凡戦。森保J、アジア大会初戦でネパールに苦戦。拭えぬ停滞感…改善の余地は?

text by 舩木渉 photo by Getty Images

6バックに大苦戦。森保監督の見解は…

 日本は森保体制の基本布陣である3-4-2-1でスタートした。GKに小島亨介、3バックに右から原輝綺、立田悠悟、杉岡大暉、右ウィングバックが長沼洋一、左ウィングバックが初瀬亮、松本泰志と渡辺皓太がセントラルMFでコンビを組み、2シャドーに三好康児と三笘薫、1トップ上田綺世という11人がスタメンでピッチに立った。

 対するネパールは4-2-3-1を基本の形にし、守備時は両サイドMFが日本の両ウィングバックにマンツーマンでマークについて6バックで自陣に引く。とにかく失点数を抑えようという意図が見て取れ、実際に行徳監督も試合後には「0-1は悪い結果ではない」と手応えを語っていた。

 両ウィングバックが高い位置をとり、圧倒的にボールを支配していた日本だったが、どうにも攻め手を欠いた。同じようなテンポのパス回しが続き、多くのシュートチャンスを得ても、GKの好守にも阻まれて追加点を奪えず。時間だけがゆっくりと過ぎていく。

 森保監督は試合後に「チャンスは十分に作ったと思いますので、2点目が入っていればさらに追加点につながっていた」と悔やんだが、超守備的戦術のネパールに対して、追加点を奪うための具体的なプランは見えてこなかった。

 ただ、別の見方もある。森保監督は常々システムにこだわらず柔軟に戦う「対応力」を養う必要性を訴え、選手たちにも要求してきた。だからこそ、圧倒的に支配しながら崩しきれない状況でピッチ上の選手たちに追加点を奪うための方策を考える余地を与え、あえて具体的な指示を出さなかったことも考えられる。

 キャプテンを任された三好は森保監督について「それぞれの選手の言っていることは聞いてくれますし、逆に意見はないかと求めてもらうこともあるので、本当にチームを全員で作っていこうという思いは監督からも伝わってきますし、試合の中でも自分たちで雰囲気作りをやっていこうという声かけはしています」と述べた。

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