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代表 6年前

兵役免除へ大惨事。韓国代表、マレーシアにまさかの敗戦。ソン・フンミン投入も実らず…

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

攻守に見られた慢心と焦り

 しかし前半開始早々からアクシデントが起きた。マレーシア陣内から送られたロングパスをGKのソン・ボムグンがペナルティエリア内でキャッチする。しかしセンターバックのファン・ヒョンスとのコミュニケーションミスで2人がなんと衝突、ボールがこぼれた。このチャンスをシャワフィー・ラシャードが逃さず、韓国のゴールを破った。誰もが予想しなかったスタートを切ってしまった。

 失点以降、韓国は慌てて最終ラインを高めに設定し、ボールを前へ送り込んだ。実際、ファン・ウィジョが裏に抜け出すモーションを取ると、そこに後ろからの縦パスが入るシーンが何回もあった。A代表としてロシアワールドカップにも出場したFWファン・ヒチャンも同じく、裏への抜け出しを頻繁に仕掛けた。おそらく最も練習したはずのパターンだった。

 しかしマレーシアはすでに韓国に対応していた。最終ラインを下げ、守備の数を増やす。そして両サイドにいる俊足のプレーヤーでカウンターを仕掛ける作戦を繰り出したのだ。

 ここで韓国の甘さが出た。攻撃を仕掛けるのはいいが、相手の守備にほとんどが封じられた。少しの融通がほしいところであまりにも同じパターンの攻撃が続いてしまい、逆にマレーシアに守備しやすくさせてしまったのも確かだった。マレーシアの実力をすこし見下していたのかもしれない。

 この安易さは守備でも露呈された。サイドでのスペースをあまりにも気にしなかった。特に後ろに抜け出す俊足FWの対応を疎かにしていたのが辛かった。相手FWは明らかに速かった。にもかかわらず3バックとサイドバックがうまくコミュニケーションを取れず、相手にスペースを与え続けた。マレーシアの2ゴール目は、センターバックがかわされたのも問題だったが、その前にウィングバックが守備をフォローしなければならなかった場面であった。

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