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日本代表 6年前

青山敏弘の類稀な人間力。全てが必然だった32歳での再招集、日本代表の新主将への抜てき

日本代表は8日に合宿地を札幌から大阪へ移した。6日に発生した大地震の影響でチリ代表との国際親善試合は中止になったが、まだコスタリカ代表との一戦が残っている。新体制の初陣に向けて、長谷部誠の後を継ぐ新キャプテンに任命されたのは32歳の青山敏弘だった。傑出した人間力を発揮するベテランは、森保一監督から絶大な信頼を寄せられている。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

誤算続きの森保ジャパン

森保一
森保一監督が率いる日本代表の船出は立て続けにアクシデントに見舞われている【写真:Getty Images】

 6日早朝に北海道胆振中東部で大きな地震が起き、7日のチリ戦が中止になるという大混乱に見舞われたた日本代表。選手たちは滞在中に停電や宿泊していたホテルの20階と1階を階段で往復するなどの異例の事態に直面したうえ、A代表定着への重要なアピールの場を1試合分失った。

 活動を再開した7日の紅白戦では杉本健勇が右足つま先を負傷。骨折の疑いがあることが判明し、チームからの離脱を余儀なくされた。まさに予期せぬ出来事の連続だったが、彼らは8日午前、札幌で最後のトレーニングを行って、無事に11日にコスタリカ戦が行われる大阪に到着。新たな気持ちで残り1試合に全力を注ぐことになる。

「本当はできるだけ多くの選手を1試合で見たいと思っていたし、できれば試合の中で全員を見たいという思いがあった」と話すように、今回の札幌合宿は森保一監督にとっても誤算続きだった。「現実、1試合になったということで、少しでも多くの選手を次の試合で見ていくことを考えたい」と前を向いたものの、コスタリカ戦の交代メンバーは6人まで。最大でも17人しか試合に出られず、離脱した杉本を除いても5人の選手はピッチに立てないことになる。

 それが誰になるのかはまだ分からないが、わざわざ欧州から戻ってきたにも関わらず、苦しい立場に立たされる人間が出る可能性はゼロではない。選手個々の胸中は複雑かもしれない。

 この難局を乗り切るべく、新生日本代表を引き締めるのが、指揮官から直々にキャプテンに指名された青山敏弘だ。ロシアワールドカップを最後に長谷部誠が代表引退を表明し、吉田麻也が後を引き継ぐと見られたが、イングランドでプレーする大型DFは今回招集外となっている。

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