誤算続きの森保ジャパン
6日早朝に北海道胆振中東部で大きな地震が起き、7日のチリ戦が中止になるという大混乱に見舞われたた日本代表。選手たちは滞在中に停電や宿泊していたホテルの20階と1階を階段で往復するなどの異例の事態に直面したうえ、A代表定着への重要なアピールの場を1試合分失った。
活動を再開した7日の紅白戦では杉本健勇が右足つま先を負傷。骨折の疑いがあることが判明し、チームからの離脱を余儀なくされた。まさに予期せぬ出来事の連続だったが、彼らは8日午前、札幌で最後のトレーニングを行って、無事に11日にコスタリカ戦が行われる大阪に到着。新たな気持ちで残り1試合に全力を注ぐことになる。
「本当はできるだけ多くの選手を1試合で見たいと思っていたし、できれば試合の中で全員を見たいという思いがあった」と話すように、今回の札幌合宿は森保一監督にとっても誤算続きだった。「現実、1試合になったということで、少しでも多くの選手を次の試合で見ていくことを考えたい」と前を向いたものの、コスタリカ戦の交代メンバーは6人まで。最大でも17人しか試合に出られず、離脱した杉本を除いても5人の選手はピッチに立てないことになる。
それが誰になるのかはまだ分からないが、わざわざ欧州から戻ってきたにも関わらず、苦しい立場に立たされる人間が出る可能性はゼロではない。選手個々の胸中は複雑かもしれない。
この難局を乗り切るべく、新生日本代表を引き締めるのが、指揮官から直々にキャプテンに指名された青山敏弘だ。ロシアワールドカップを最後に長谷部誠が代表引退を表明し、吉田麻也が後を引き継ぐと見られたが、イングランドでプレーする大型DFは今回招集外となっている。