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Jリーグ 6年前

窮地の柏レイソルが得たもの。悔い残るドローも“過去”を払拭、ポジティブだった試合の終わり方

text by 青木務 photo by Getty Images for DAZN

過去を払拭したレイソル

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柏レイソル【写真:Getty Images】

 大谷とボランチでコンビを組んだ小泉慶は「ホームで勝ち点3を取りたかったという悔しさはあります」と振り返ったが、こうも述べている。

「後半にセットプレーでやられて、相手のリズムになりかけた。過去を見ればそこからもう1点取られるケースが多かった中で、今日はもう一度こっちの展開に持って行けた。こういう状況でも、1点取られても焦ることなくやれたのが良かったと思います」

 後半終盤になっても、レイソルは攻撃の手を緩めなかった。最前線のオルンガを起点に攻め込み、セカンドボールを回収し二次攻撃へと繋げる。じわじわとゴールに近づくと、88分にはクリスティアーノのシュートのこぼれに山崎亮平が反応する。日本代表GK権田修一の連続ビッグセーブに阻まれ、勝ち越すことはできなかったが、試合の終わり方としては悪くない。

 この試合の後に行われたV・ファーレン長崎対ベガルタ仙台は、最下位の長崎が勝利した。残留争いはさらに混沌とし、16位・レイソルが上回る勝ち点はわずか『3』となった。今後も厳しい戦いが続くが、勝利を目指して戦っていくしかない。先を見る必要はなく、目の前のゲームに全力を注ぐのみだろう。

 全員で声をかけ合い、意識を共有したことで改善された点は確かにあった。前節はほとんど相手に渡っていたセカンドボールを回収できたのはその一つだろう。また小泉が言ったように、同点とされても浮き足立たず流れを引き戻せたことも収穫だ。勝ち点3を取り逃した悔しさを含め、次に繋がるポジティブな要素は少なくない。

 この勝ち点1が残留への大きな足がかりとなった――こう笑って振り返るためにも、次節の浦和レッズ戦が重要になる。勝利がマストの試合は最後まで続いていく。

(取材・文:青木務)

【了】

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