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Jリーグ 6年前

名波ジュビロ、静岡ダービー屈辱の惨敗。見せつけられた歓喜、それでも・・・抗い続けた荒木大吾

text by 青木務 photo by Getty Images for DAZN

血眼になってプレーした荒木

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荒木大吾は一心不乱にプレーした【写真:Getty Images】

 大敗による悔しさは、ロッカールームを出てからも晴れなかった。気持ちを切り替えることは簡単ではない。荒木大吾の表情、言葉からはやり切れない思いが滲んだ。

 とにかくアクションを起こさなければ――。荒木は一心不乱に動き続けた。「行ける時は仕掛けて、シンプルにやるところはシンプルにというイメージ」を描きながら、スムースに試合に入った。縦に走り、サイドに流れ、中に切り込み、果敢にシュートも狙った。

 1点差に迫った51分のシーンを巻き戻すと、中盤でフリーとなった荒木がボールを受けて前に運び、左に散らしている。エレンのクロスは逆サイドに流れたが、作り直して田口のゴールが生まれた。そして、荒木自身もパスを出した後に右サイドへと流れ、最後はボックス内にも侵入していた。

「相手ボランチの守備がキツかったわけでもなかったし、間とか空いているところもたくさんあったので。スパンとパスが入っちゃえば、相手は完全に後ろ向きになるし、一回入った時にすごく嫌がっていたので、それを続けたかったですね」

 56分には、中村俊輔のパスに走り込むと左足を振り抜く。シュートは外れたが、思い切りのいい選択だった。後半も失点を重ねた磐田にあって、荒木は流れを引き寄せようと血眼になってプレーした。

「俺がしっかり動けているとパスも出てくるんですけど、走らなきゃいけないところで自分が走れなかったり、悪循環になってしまう部分もあった。例えば俊さん(中村俊輔)が持った時に走ればいいのに、俺は走れなかった。動き回ることに力を使っちゃっていて、大事なその瞬間に動き出せなかった」

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