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日本代表 6年前

新世代台頭の森保J、南野拓実や伊東純也が躍動。ウルグアイ戦で問われるロシアW杯組の真価

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

ウルグアイ戦は森保ジャパンの分岐点になるか

 伊東にしても持ち前のスピードとゴールに迫る泥臭さで見る者を魅了した。南野のシュートのこぼれ球に反応し、一度打ったシュートがDFに当たったところを再び強引に押し込んだ65分の追加点の場面は、2009年6月のウズベキスタン戦で南アフリカワールドカップへの切符を引き寄せた岡崎慎司を想起させる。

 もちろん伊東の方が岡崎より足が速く、ドリブル技術も高いが、しぶとく最後までゴールに突き進む雑草魂は偉大な点取り屋に通じる。Jクラブ育ちのエリートの多い若い世代にあって、彼のような選手は貴重だ。

 16日のウルグアイ戦では南野に加え、堂安律、中島翔哉の「コスタリカ戦ミラクル3」の復活が予想される。その3人が得点に絡んで輝き放ち、右足首負傷の伊東も復帰してジョーカーとして何らかの仕事を見せるようなことがあれば、攻撃陣は一気に若い力が席巻することにもなりかねない。

 ロシアでベルギー相手に得点を挙げた原口や乾、トップ下で復活を狙っている香川らは入る隙がなくなる可能性もある。大迫の1トップに関しては対抗馬が見つからないものの、ゼロトップのような形で戦うオプションも取れる。実績あるメンバーでもウカウカしてはいられない状況になってきたのは事実だ。

 アタッカー以外のポジションにしても、室屋の縦への推進力を見て酒井宏樹は刺激を受けただろうし、佐々木翔の思い切った攻撃参加に長友も考える部分はあったはず。新キャプテン・吉田も冨安に自身の21歳の頃を重ねたのではないか。

 各ポジションで競争が生まれたのは前向きな要素だが、ロシアワールドカップ組は代表をけん引してきた意地とプライドを示さなければならない。ウルグアイ戦はその貴重な場。ルイス・スアレスこそいないが、エディンソン・カバーニとディエゴ・ゴディンは今回のメンバーに含まれている。12日の韓国戦で1-2の敗戦を喫しているだけに、彼らもプライドを持って挑んでくるに違いない。

 本気モードの強豪相手に果たしてロシアワールドカップ組は真価を見せられるのか…。世代交代の流れをせき止めることはできるのか…。パナマ戦を受けての次戦は、森保ジャパンの今後を左右する重要な分岐点になりそうだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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