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日本代表 5年前

新エース候補・南野拓実への注文。得点継続は必須、その先にある香川越えと飛躍への扉

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ビッグクラブ移籍も期待

 8年前の優勝直後、チェゼーナ移籍から半年しか経過していなかった長友佑都(ガラタサライ)がビッグクラブのインテルに電撃移籍するというサプライズが起きた。仮に南野が今回、MVP級の働きを見せれば、長友と同じようなステップアップも起こり得る。

 ザルツブルクで5シーズン目を迎えた彼はそろそろ新天地に赴いていい頃。南野と室屋成(FC東京)を小学生の頃、指導したゼッセル熊取の杉山恵三代表も「次のステップで今後のサッカー人生が決まると言っても過言ではない。拓実にはよりレベルの高いリーグに行ってコンスタントに試合に出てほしい」と熱望していたが、誰よりも本人が成功の道を歩みたいと熱望しているはずだ。

「新ビッグ3」と称される堂安・中島の2列目トリオはいずれも欧州ビッグクラブ移籍が噂される存在だ。ロシアワールドカップまでのビッグ3である本田はACミラン、岡崎慎司がレスター、香川がマンチェスター・ユナイテッドというレベルまで達したが、新ビッグ3もそれと匹敵する領域に上り詰めるチャンスは十分にある。それぞれの命運を左右するのが今回のアジアカップだと考えていいだろう。

「この3人はみんなゴールを意識して前を向くプレーを得意としている。前の推進力がある選手だと思うんで、ウルグアイ戦でも手ごたえを感じたし、そういうプレーをどんどん増やしていければいい」と南野も話していたが、同じ攻撃イメージを共有できる森保ジャパンのアタッカートリオがいい相乗効果をもたらしあえば、それぞれが一段と輝きを増す。結果として南野自身もゴール数を引き上げることができる。それで周囲からの評価が高まり、日本も5度目のアジア王者に輝ければ、まさに最高のシナリオだ。

 そのけん引役になるべく、まずはベネズエラ戦での結果を貪欲に追い求めていくことが肝要だ。サロモン・ロンドン(ニューカッスル)筆頭に屈強なフィジカルを備えた中南米の強豪国を自身のゴールで確実に粉砕するところからスタートしてほしい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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