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日本代表 5年前

新エース候補・南野拓実への注文。得点継続は必須、その先にある香川越えと飛躍への扉

text by 元川悦子 photo by Getty Images

アジアカップで活躍すれば、もはや誰も香川真司と比較しない

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香川真司【写真:Getty Images】

 もちろん、この中には南野、堂安、酒井宏樹らも加わるはず。とりわけ、森保体制3試合4ゴールの南野には新エースとしての大きな期待が寄せられる。10月2戦で3点を奪った後、所属のレッドブル・ザルツブルクでも4ゴール。11月8日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)・ローゼンボリ戦ではハットトリックも達成。もともと備えていた天性の得点感覚がより一層、研ぎ澄まされてきたのは紛れもない事実だ。

「9月の代表に呼ばれてからコンディションがいいし、それをチームでも代表でもしっかり維持できている。クラブと代表のいいサイクルができていると感じます」と本人も急激な成長曲線を描く自分自身に大きな手ごたえをつかんでいる。

 ただ、2018年ロシアワールドカップアジア最終予選で4試合連続得点の日本新記録をマークした原口元気(ハノーファー)がその後、1年半もゴールから遠ざかったように、一度、勢いが止まってしまうと苦しむアタッカーは少なくない。23歳と伸び盛りの南野がそうなるのは早すぎる。今はどこまでも数字を伸ばして、存在価値を高めていくべき時期にいる。今のゴールラッシュを11月2連戦でも続けて、アジアカップという勝負のかかる大会で真のエースになること。それが彼に課せられた重要テーマと言っていい。

 アジアカップという大会を制するためには、どうしても代表をけん引する看板選手が必要になる。日本は92年広島、2000年レバノン、2004年中国、2010年カタールと過去4度頂点に立っているが、92年のカズ(三浦知良=横浜FC)、2000年の名波浩(磐田監督)、2004年の中村俊輔(磐田)、2010年の本田圭佑(メルボルン)という絶対的エースがいた。各大会ともに修羅場はあったが、その時々にチームを窮地から救ったのが上記の面々だ。

 南野が1月のUAEでそういう存在感を示すことができれば、もはや誰もトップ下前任者の香川真司(ドルトムント)と比較したりはしないはず。周囲の雑音を黙らせるほどのゴール量産を見せ、大ブレイクしてくれれば理想的だ。

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