鳥栖が未来を賭けた「劇薬」と「伝説の夜」。社長の“ぶれない姿勢”がJ1残留の分岐点

サガン鳥栖にとって、2018年は苦しいシーズンとなった。フェルナンド・トーレスと金崎夢生を獲得したものの、なかなか状況は好転しない。その中で、竹原稔社長は指揮官の交代と3度目のサポーターミーティングの開催を決断した。自ら不退転の覚悟を示した竹原社長の信念とは?(取材・文:藤江直人)

2018年12月04日(Tue)10時20分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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J1残留のターニングポイントは…

サガン鳥栖
サガン鳥栖【写真:Getty Images】

 怒号が飛び交う展開を覚悟していた。サガン鳥栖が置かれていた状況を考えれば、辞めろと糾弾される光景が生まれても決して不思議ではなかった。それでも、サガンを運営する株式会社サガン・ドリームスの竹原稔代表取締役社長は、あえてファンやサポーターと直接向き合う場を設けた。

 本拠地のベストアメニティスタジアム内で、10月18日に開催されたサポーターミーティング。クラブの公式ホームページ上で開催が緊急告知された同9日の段階で、サガンは終盤戦に突入したJ1戦線で連敗を喫し、順位をJ2への自動降格圏になる17位へ再び下げていた。

 加えて、同じ9日には就任して3シーズン目になる、イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督が、練習の指導から外れることも発表されていた。代わりに指揮を執るのは、今夏からトップチームのコーチを兼任していたばかりの、サガン鳥栖U-18の金明輝監督だった。

 この時点で、リーグ戦で残されているのはわずか5試合。なぜいまなのか。なぜトップチームを指導した経験のない、37歳の青年指揮官にJ1残留を託すのか。序盤戦から苦戦を強いられてきた今シーズンの軌跡に対する不満や批判も含めて、チームの内外には逆風が吹き荒れる要素が充満していた。

 それでも、残り5試合を3勝2分けと無敗で乗り切り、最終的には14位でJ1残留を果たしたターニングポイントを尋ねられた竹原社長は、迷うことなく指揮官の交代とサポーターミーティングをあげた。

「(メディアの)皆さんはいろいろなご意見があると思っていますけど、あのタイミングしかなかった。選手たちもそれを感じてくれていたし、(最後は)1年間のうちで最も強いチームになることができた。もちろん課題はありますが、結果として大きく屈んだ末に、大きくジャンプしたシーズンになりました」

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