横浜FMが見せた新たな景色。「マンC化」するには? 守護神・飯倉大樹の試行錯誤と覚悟【西部の目】

横浜F・マリノスは明治安田生命J1リーグを12位で終えた。新監督を迎え、マンチェスター・シティのような戦い方を標榜。その攻撃的な姿勢は存在感を放ったものの、1年では本家の域に達することはできなかった。ただチームの守護神・飯倉大樹からは、シティに近づこうという覚悟が感じられた。(取材・文:西部謙司)

2018年12月07日(Fri)10時20分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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シティとのギャップ。影響をまともに受けるGK

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横浜F・マリノスの飯倉大樹【写真:Getty Images】

 横浜F・マリノスは12位でフィニッシュした。2018年の開幕戦、アンジェ・ポステコグルー新監督の下でヴェールを脱いだサッカーには驚きがあった。山中亮輔、松原健の両サイドバックが中央に寄る、いわゆる「偽サイドバック」はJリーグで見る新しい景色だった。

 いってみればマンチェスター・シティのコピー。経営権を握ったシティ・グループが「シティ化」を進めている。戦術的なノウハウを提供する以上、横浜FMがシティと同じスタイルのサッカーを指向するのは当たり前なのかもしれない。ただ、そのまんまコピーするとは予想していなかった。

 戦術の鉄則は選手を生かすことである。よく「戦術が選手を縛る」といわれるが、現実は反対で、戦術は常に選手に制限される。選手ができること以上の戦術は存在しない。選手のキャパシティが戦術を決める。なので、選手の能力を生かし切ることが戦術の肝になるわけだ。

 その点で、横浜FMのシティ化は無理筋といえる。シティ化のメリットは、Jリーグでもシティと同じ魅力的で強いサッカーを披露できることだが、それには選手がシティと同レベルであることが条件になる。簡単にいえば、できないことをやろうとしている。ただ、プレースタイルを先に明示し、選手がそれに合わせていく中で伸びていく。日本代表にも選出された山中亮輔が好例だろう。シティに近づこうとする過程で、選手とチームの成長が促されるという強化方針なのだろう。

 全36試合にフル出場した飯倉大樹は、走行距離7kmのGKとして話題になった。自陣から丁寧にパスをつないでいくシティ化にあたって、GKはビルドアップに組み込まれている。ハイラインの背後をカバーするスイーパーの役割もある。フィールドプレーヤー並の走行距離にならざるをえない。シティ化の影響をまともに受けるポジションだ。

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