名波ジュビロ、J1残留のヒーローとなった小川航基。仲間たちが唸る、“持ってる”男の真骨頂

2018年12月10日(Mon)11時32分配信

text by 青木務 photo Getty Images
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“持ってる”男の今後

 3人とも小川航について「持ってる」と述べた。プレッシャーを楽しむことができるのは彼の異能だが、結果を残せなければ意味がない。しかし、21歳はクラブの分岐点とも呼べる一戦で輝いた。J1残留というあまりに大きなものが懸かった試合で、冷静にゴールを奪ってみせた。

 鳴り物入りで入団したルーキーイヤーは、元イングランド代表FWジェイをはじめとするライバルの後塵を拝した。「勝負の年」と意気込んだ2年目には、U-20ワールドカップで左膝前十字靱帯損傷と外側半月板損傷の大怪我を負った。

 そして、今季はリーグ戦では1得点にとどまった。シーズン中に導入した2トップは小川航を組み込む狙いもあったはずだが、期待に応えられたとは言い難い。最終節の川崎F戦も、満身創痍の川又をベンチから見つめることしかできなかった。

 そうした悔しさは本人が一番感じており、だからこそ期するものがあった。崖っぷちのチームを救ったが、反省の弁が口からこぼれた。

「まだまだ監督の思っているような活躍はできていないと思いますし、やっぱり期待してくれているなかでもっともっとシュートを打たなければいけない。得点を取らなければいけないし、もっともっと収めなきゃいけない。まだまだ監督の理想というか『やってくれた』という感じではないと思うので」

 チーム全体に言えることだが、終わり良ければ全てよしではない。重要なゲームで真骨頂を発揮した小川航にしても、シーズン中に活躍できていればそもそもプレーオフに回ることもなかったかもしれない。

 それでも、仲間から「持ってる」と口を揃えられる存在もなかなかいない。自身の奮闘によって、来季もJ1で戦えることになった。誰もが唸るその強心臓ぶりを、今度こそ示さなければならない。「持ってる」男・小川航基は、こんなところでは立ち止まらない。

(取材・文:青木務)

【了】

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