満たされることのない勝利への飢餓感
日本でタイトルを獲得することに関しては、オズワルド・オリヴェイラほど容赦なく結果を出し続けた者は他にほとんど見当たらない。
ブラジル人指揮官は鹿島アントラーズを率いた5年間の全てで少なくともひとつのトロフィーを獲得。3回のJ1優勝(2007年、2008年、2009年)、2回の天皇杯優勝(2007年、2010年)、1回のJリーグカップ優勝(2011年)を成し遂げた。埼玉に来てもその記録は継続し、就任からわずか8ヶ月で浦和レッズを2006年以来の天皇杯優勝へと導いた。
日曜日の試合で浦和がベガルタ仙台に1-0の勝利を収めたあと、新たに手に入れたメダルを誇らしげに首にかけて埼玉スタジアムでの記者会見で話をするオリヴェイラ監督は、もうすぐ68歳を迎えるようにはとても見えなかった。その目の奥の光は、栄冠への飢餓感が今年の勝利で満たされてしまうことはなく、さらに意欲を強めていると感じさせた。
「この感動は以前にも味わったものだが、再び味わうことができている。非常に嬉しく思う」とオリヴェイラ監督は満足げな笑顔を浮かべていた。
鹿島を初めて率いた11年前のシーズンにリーグと天皇杯の2冠を達成したことがその後の黄金時代構築への勢いになったのと同様に、今回の天皇杯優勝が浦和にエネルギーを与えるとも感じているようだ。
「そうなることを願っている。だからこそ、少なくともその一部を再現するために必死に頑張っている。勝つことで呼吸ができる。勝つために仕事をしている。それが若さの秘訣だ」