阿部勇樹も称賛。指揮官の影響力
今季のJ1で9試合を終えて9位に位置していた浦和の指揮を引き継いだ時点で、2018年のリーグタイトル獲得は厳しい注文だった。だがオリヴェイラ監督は、天皇杯の大会開始以来、その重要性を選手たちに対して強調し続けてきたという。
「天皇杯の初戦からいつも彼らに道を示し続けてきた。『我々はこの大会に優勝しなければならない。来季ACLへのパスポートになるからだ』とね」
「それこそが私の仕事の目的だ。(ACLで)4回戦ったが、決勝まで進めたことはなかった。来年またベストを尽くすつもりだ」と目標への姿勢を説明した。
その目標を達成するため、元コリンチャンスの指揮官はチームの選手層をさらに厚くしたいとも望んでいるが、現在のチームには強固な核が存在しているとも感じている。就任当初から、選手たちの奮闘ぶりに強い印象を受けたという。
「彼らは非常に規律正しく忠実であり、全力を尽くそうとしてくれている。練習にも早めに出てきて、私の要求を全て満たしてくれる。だからこそ我々は今日勝つことができた」
指揮官は特に阿部勇樹を名指して称賛していた。マウリシオを負傷で欠いた3バックの一角として輝きを放った37歳もまた、監督への賛辞を惜しまなかった。
「やるべきことを全てやるべきだということ、やらないことは受け入れられないということ。その事実を改めて強調してくれました」と阿部はオリヴェイラ監督のもたらした影響について語る。
「チーム内であまりうまくいっていなかった部分を全て理解してくれました。自分の考えを確実に全員に浸透させようとする監督です。シーズンの途中でやって来て、難しい部分もあったはずですが、こうして勝ってシーズンを終えられたのは素晴らしいことです」
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