アジアは「厳しくない」。4年前に重なる日本代表の弱点。勝利に必要なのは気持ちではなく技術
AFCアジアカップ2019はいよいよ決勝トーナメントに突入した。日本代表はベスト16でサウジアラビアと戦う。アジアの戦いは厳しいと言われているが、果たして本当だろうか。4年前苦杯を舐めたベスト16突破に必要なこととは何か。(取材・文:植田路生【UAE】)
2019年01月21日(月)10時40分配信
シビアではないアジアの戦い
アジアの戦いは厳しい。サッカーではよく聞く言葉だが、果たして本当にそうだろうか。
かつて日本がワールドカップに出場できていない時代であればそれは正しい認識だった。しかし、今ではそれは夢ではなく当たり前となり、予選もシビアではない。
劣悪な環境や低レベルな審判が試合に大きな影響を及ぼすこともあった。だが、現在アジアカップが開催されているUAEは気候も穏やかでホスピタリティも良い。審判レベルも年々上昇し、とんでもない誤審は激減した。
アジアサッカーのレベルは上がっているとはいえ、アジアに日本より格上な国は1つとしてない。このような状況でアジアが「厳しい」としてしまうのは、甘えに近い。勝って当たり前の試合が続くプレッシャーを「厳しい」という見方もできるが、それは言葉遊びのレベルだろう。
ワールドカップは間違いなく厳しい戦いだ。6月に参戦するコパ・アメリカも厳しい戦いだ。それに比べるとアジアカップは楽な大会と言える。技術的に上の相手に対して精神的に上回り、運を手繰り寄せて勝利を願うようなものではない。
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