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日本代表 5年前

「やりにくさなかった」。武藤嘉紀が持つイランへの自信。アジアカップ準決勝で絶対的切り札に

text by 元川悦子 photo by Getty Images

イランに驚きと動揺を与えるには?

 2011年から指揮を執るカルロス・ケイロス監督の戦術も浸透し、強固な守備組織ができ上がっていることも踏まえると、やはり単調な崩しだけではゴールに届きそうもない。日本としては、粘り強く相手のスキを探し、そこを徹底して突くような戦術眼と工夫が求められてくるのだ。

「イランが強いといっても、(ボールを78%も支配された)サウジ戦みたいな展開にはならないと思う。攻守の切り替えを早くして、相手よりタフに戦えれば、僕らが有利なのは間違いない。先に点を決めた方が有利なんで、前半で一撃を食らわせることができればそれほどいい展開はない。今は日本のディフェンスラインが安定していますし、絶対ゼロで抑えてくれると思うので、前の選手が決めて楽にさせてあげないといけない」と武藤も先手必勝で行くことの重要性を改めて語っていた。

 その背番号13がピッチに立つとしたら、おそらく途中から。「絶対的切り札」としてピッチに投入されることになるだろう。森保一監督は同じポジション同士を交代させるのが通例だが、どうしてもゴールを取らなければならない状況になれば、武藤と大迫をタテ関係、あるいは横に並べて2トップ気味に使う可能性もゼロではない。

 そういったトライを現時点ではまだ試みていないが、そのくらいの大胆策を講じなければ、アジア最強チームに驚きと動揺を与えることはできない。武藤自身もドイツでしのぎを削った仲間との組み合わせを大いに歓迎。大一番での共演を熱望している。

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