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Jリーグ 5年前

札幌チャナティップは「タイのメッシ」でなく、もう1人のイニエスタ。Jリーグが進めるべき補強策【英国人の視点】

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images,Wataru Funaki

小さな体をアドバンテージに変える力

「これから彼はさらに良い選手になるはずだ」。過去最高順位となるコンサドーレの4位フィニッシュを助け、昨年のJリーグベストイレブンにも選出されたチャナティップが、大きく高まった期待に苦しむと思うかと尋ねられると61歳の指揮官はそう答えた。

「イニエスタと同じようなプレーができると思う。もし彼がバルセロナにいたとすれば、おそらくイニエスタがあそこで活躍しながら決めていたよりも多くのゴールを決めることができるかもしれない。得点への嗅覚はおそらくイニエスタよりも強いと思う」

「チャナティップの体は小さく、様々な面で不利だと思われるかもしれない。だが彼はそれをアドバンテージに変えることができるような選手だ。軽快かつ敏捷で、ボール扱いの力も、素晴らしいスピードも、インテリジェンスも、ドリブル能力もある。そういった面でハンデをアドバンテージに変えることができる。それが彼の長所だ」

 天性の能力を活かして効果的に発揮するため、チャナティップが奮闘してきた姿勢についてもペトロヴィッチ監督は賛辞を惜しまない。

「もともと良い選手ではあったが、近くで見ていると、良い選手でありながらも本当に結果を残すことはできていなかった。私がここに来るまでの半年間はゴールもなければアシストもなかった」と監督は語る。

「ドリブルが注目されていたが、コーナーフラッグに向けてドリブルすることが多かった。今の彼はもっとゴールに向かってプレーしており、そのおかげでゴールもたくさん決めることができているし、味方に供給するアシストも増えている。昨季は相手が本当にプレーしてほしくないエリアでプレーすることで大きな進歩を遂げることができた」

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