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Jリーグ 5年前

マリノスは異例の主将3人制。天野純と喜田拓也が語った強烈な覚悟、そして指揮官の意図とは?

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「自分が違いを作らなければいけない」(天野)

天野純
天野純は2018年に日本代表デビューを飾るなど大きく飛躍。新シーズンには並々ならぬ覚悟で望む【写真:Getty Images】

 喜田は過去の偉大な「キャプテン」という役割をチームメイトの立場から見てきて、「その人の行動によってチームの方向性もある程度は決まってくるものだと思いますし、それだけの影響力がある人が務めるポジション」だと考えている。

 それが十分に分かった上で、ポステコグルー監督からの要請に覚悟を持って応じた。そして、キャプテンだから何かが約束されていないことも、胸に刻んでいる。扇原や天野とともに、タイトル獲得を目指すチームを導くための心の準備はできていた。

「今回キャプテンに任命してもらったから何か変わるかというとそうではないと思うし、別にポジションが約束されているわけではないので、そこは履き違えないように。またキャプテンだからといって偉いわけでも何でもないので、そこはみんなと協力しあって、『勝つ集団』にしていきたいです。

キャプテンということに対してはすごく責任を感じますし、光栄なことでもある。誰にでもできることでもないですし、特に自分はマリノスでずっと育ってきて、そうやって色々な先輩たちも見てきての今なので、今まで感じてきたものをチームに還元できればいいと思います」

 今季、自ら望んで10番を背負う決断を下した天野は、キャプテンになるとともに選手会長にも就任した。昨年は日本代表初招集とデビューも飾り、名実ともにチームの顔。キャプテンになろうと、なるまいと、今年はこれまで以上の責任を背負って戦う覚悟だった。

 キャンプを終えて横浜に戻ってから、キャプテン就任が決まる前に話を聞くと、少し心配になるくらいに固い決意と胸の内を明かしてくれた。今年は監督や強化部の方針もあって各ポジションに2人ないし3人を揃え、競争は激化している。それは天野が定位置とする左インサイドハーフも例外ではないが……。

「各ポジションに2、3人というのは監督も強化部の人もずっと言っていますけど、僕は正直そこを見ていなくて。本当に日本代表で主力に定着するためにはそこで悩んではいられないというか。自分が良ければ(マリノスで試合に)出られるし、ダメだったら出られないし、それだけの話だと思う。自分らしいパフォーマンスというか、本当にマリノスが勝つために自分が違いを作らなければいけないと思っています」

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