マリノスは異例の主将3人制。天野純と喜田拓也が語った強烈な覚悟、そして指揮官の意図とは?

いよいよJリーグも新シーズンが開幕を迎える。23日にはJ1第1節が行われ、横浜F・マリノスはアウェイに乗り込んでのガンバ大阪戦に挑む。アンジェ・ポステコグルー監督は、今季の行方を占う大一番の直前まで「キャプテン」を1人に決めていなかった。異例の体制を選んだ指揮官の意図、そして選手たちの思いに迫る。(取材・文:舩木渉)

2019年02月23日(Sat)13時08分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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歴史に燦然と輝く偉大なキャプテンたち

アンジェ・ポステコグルー
横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督【写真:Getty Images】

 我々は見事に煙に巻かれ続けてきた。「まだ決めていない」と。何の話か? それは横浜F・マリノスのキャプテンのことだ。

 アンジェ・ポステコグルー監督には練習後の囲み取材の場で新シーズンのキャプテンについて何度か質問が出たが、「まだ決めていない」という答えしか得られていなかった。昨季、その重責を担った偉大なDF中澤佑二が引退し、誰が後任を務めるのかはシーズン始動から気になっていたことだった。

 Jリーグの創設時から存在する「オリジナル10」の1つであるマリノスには、歴代のキャプテンが紡いできた歴史がある。初年度の1993年は松永成立(Jリーグでの初代キャプテンは現GKコーチだ)、1994年から1998年までは“アジアの壁”と称された井原正巳、1999年と2000年は上野良治、2001年に小村徳男を挟み、2002年から2003年にかけては松田直樹が腕章を巻いた。

 さらに2004年に奥大介、2005年は中澤佑二、2006年には再び松田がキャプテンとなり、2007年は中澤に戻った。その後は2008年から2009年は河合竜二、2010年は栗原勇蔵と兵藤慎剛の2人制、翌2011年から2016年までは中村俊輔が大役を担い続け、2017年は齋藤学が生え抜きとして重責を受け継いだ。

 先に述べた通り、2018年は中澤が自身3度目のキャプテンを務めたわけだが、現役引退を決断。これだけ錚々たる面々の名前を挙げれば、腕章の行方は気になるわけである。そしてついに、シーズン開幕を2日後に控えた21日に2019年のキャプテンが発表された。

 ポステコグルー監督が出した答えは、扇原貴宏、喜田拓也、天野純の3人キャプテン制だった。クラブの歴史上2人が共同でその役割を務めあげたことはあったものの、3人というのはJリーグを見渡しても異例の人事だ。

 1人がキャプテンで、残る2人が副キャプテンというわけではない。3人全員がそれぞれキャプテンなのである。そこには指揮官なりの狙いがあるようだ。発表の前日に、彼はこんなことを言っていた。

「プレシーズンでは数人をキャプテンにして練習試合を戦ってきたが、私にとってそれは重要なことではない。誰かがキャプテンをやって、次の試合ではまた別の選手がキャプテンになってもいい。それよりも戦える強いチームであることが重要で、同時に1人だけでなく全員が力強いリーダーシップを発揮して欲しいと思っている。

3人、4人、5人、6人…毎週それくらいはリーダーシップを見せてくれるだろう。1人をキャプテンにしてしまえば、他の選手は後ろに隠れて何もなくなってしまう。2、3人をキャプテンにするつもりでいるが、1人だけを選ぶつもりはない」

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