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日本代表 5年前

日本代表に“香川真司がいる”という意味。「背中で引っ張る男」がもたらすものとは?

text by 元川悦子 photo by Getty Images

コンディションは懸念材料。本来の鋭さを発揮できるか

 今回のメンバーを見ると、香川は東口、西大伍、乾貴士に次ぐ上から4番目の年長者だ。これまでは上の世代に引っ張ってもらうことが多かったが、ここからは自分が力強くチームをけん引しなければならない。それは紛れもない事実なのだ。

 それだけの実績を誇っていても、今の香川がかつての輝きを見せられる保証はない。というのも、まだベシクタシュに移籍して2カ月余りで、スタメン出場したのが2試合のみという状況だからだ。

 2018年の1年間は所属のボルシア・ドルトムントでケガや構想外扱いが続き、満足にピッチに立てない時間が続いた。幸いにしてロシアワールドカップは初戦・コロンビア戦を手始めに4試合で先発できたものの、フル稼働したのはこの大舞台くらいと言わざるを得ない。

 ベシクタシュのシェノール・ギュネシ監督も「ベシクタシュに来た際、香川は過去の故障や試合不足による問題を抱えていた。(2月25日の)フェネルバフチェ戦も前半45分は非常によかったけど、後半はパフォーマンスが低下したからね。アデム(リャイッチ)にも言えることだけど、2人とも技術や才能は素晴らしいけど、体力が不十分だ」とフィジカル面の問題を懸念していた。

 それでも直近の16日のギョステペ戦には頭からの起用に踏み切ったが、相手の厳しいマークに苦戦していた。その状態からいかに自分自身を引き上げ、今回の代表2連戦で本来の鋭さと創造性を示していくのか。香川が森保ジャパンで攻撃のキーマンに君臨しようと思うなら、その課題をまずはクリアしていくことが肝要だ。

 新体制デビュー戦の相手がコロンビアというのも、彼にとっては因縁めいたものがある。コロンビアというのはご存知の通り、2014年ブラジルワールドカップで1-4の惨敗し、2018年ロシアで2-1とリベンジに成功した宿敵に他ならないからだ。

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