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それでもまたもロナウド。ユベントスも悩ませたアヤックスのパス。激戦はどう生まれたのか

チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、ユベントスはアウェイでアヤックスと対戦。戦前の予想ではユベントスの有利と見られていたが、レアル・マドリーを破ったアヤックスの強さは本物だった。それでも劣勢の中で先制ゴールを決めたのはクリスティアーノ・ロナウドだった。(文:神尾光臣【イタリア】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

バルサ移籍決定のデ・ヨングが軸

 テクニックの高い若手が組織として融合し、アグレッシブなサッカーを展開するアヤックス。レアル・マドリー戦でのパフォーマンスは衝撃的だった。1-2で敗れた1stレグも、内容では相手を常に圧倒。自信をつけた彼らは2ndでとてつもない爆発力を見せ、ベスト8進出をもぎ取った。

 メガクラブとの対戦は避けられたとはいえ、ユベントスにとっては非常に危険な相手を引き当てたことは間違いない。事実、アグレッシブに中盤でボールを刈り取って、試合のペースを握ったのはアヤックス。ユーベの守備陣を右に左に振り回して、次々とシュートチャンスを作った。

 しかし、1stレグの劣勢をひっくり返してベスト8入りを決めたのはユーベも同じだ。彼らはアヤックスに対し、持ち前の勝負強さと個々のタレント性で対抗した。攻められながら、故障から復帰していきなり先発したクリスティアーノ・ロナウドのゴールで先制に成功。守備の主軸を欠きながら相手の猛攻をいなし、カウンターに結びつける老獪さも見せた。

 結果は1-1のドロー。だが試合展開は、拮抗そのものだった。

 アヤックスは、R.マドリー戦で見せた勢いと完成度の高さをユーベ相手にもそのまま披露。果敢な攻撃を次々と仕掛け、相手を押し込んだ。

 後方からのパスの組み立てが、まず非常に正確だ。来季のバルセロナ移籍が決定しているフレンキー・デ・ヨンクが後方に降り、正確なミドルパスを前線やサイドに出していく。両CBの蹴るボールも、パス出しにおいてミスをしない。

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