この年、世の中では何が?
ミランへの移籍を果たした日本代表の本田圭佑【写真:Getty Images】
この年、日本は大きな喜びに包まれた。9月、第125次IOC総会において2020年夏季オリンピック開催都市に東京が選ばれたのだ。東京が同大会の開催地に選ばれたのは1964年以来56年ぶり2回目となる。また、オリンピック招致活動の最終プレゼンテーションに参加した滝川クリステルさんが発した「お・も・て・な・し」が大流行。同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」年間大賞を受賞した。
そしてもう一つ忘れてはならないのがこの年、NHKで放送された連続テレビ小説『あまちゃん』だ。ヒロインの天野アキ役に起用されたのは能年玲奈(現のん)。当時爆発的な人気を誇り、一躍国民的女優として人気を上げた。そしてドラマのロケ地にもなった岩手県・久慈市も大きな注目を集め、多くの人が聖地巡礼としてその地を訪れた。また、能年演じる天野アキが驚いた際に使う「じぇじぇじぇ」も流行語大賞に選ばれた。
3月には野球界にも嬉しい一報が。読売ジャイアンツの終身名誉監督である長嶋茂雄氏、元巨人軍でMLBでも活躍した松井秀喜氏に国民栄誉賞が授与されることが正式に発表された。5月に東京ドームにて授与式が行われ、日本中が感動に包まれた。
また、8月には東北楽天イーグルスに所属していた田中将大投手が開幕から21連続勝利を達成。1957年に西鉄(現・西武)の稲尾和久がマークした同一シーズン最多連勝の日本記録が56年ぶりに更新された。最終的に同選手は連勝記録を「24」にまで伸ばし、ギネス世界記録にも認定されている。なお、前シーズンからの連勝記録は「28」となった。
9月にはそんな田中らを擁した東北楽天イーグルスが球団創設9年目にして初のパ・リーグ制覇を達成。クライマックスシリーズも勝ち抜き、日本シリーズへの進出も果たした。同シリーズでは巨人と対戦し、4勝3敗とした楽天が見事日本一に輝いている。2年前に起きた東日本大震災によって深い悲しみを受けた東北に、勇気と元気を与えることになった。
12月には日本代表の本田圭佑がイタリアの名門・ミランに移籍することが正式に発表された。背番号は本人が希望した「10番」に決定している。また入団会見で「ミランを選んだ理由は」という質問を受けた際に本田が発した「心の中のリトル・ホンダに聞きました。『どのクラブでプレーしたいのか?』と。そうしたら『ミランでプレーしたい』と答えたんです」という言葉が大きな話題を呼んだ。
また、イングランド代表やマンチェスター・ユナイテッドで活躍したデイビッド・ベッカムが現役引退を、1986年からマンチェスター・ユナイテッドを率いたアレックス・ファーガソン監督が退任を正式に発表したのも、この年のことだった。
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