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やはり別格だった久保建英。データも示す真実とは? ハメス、スアレスらと同等の質【コパ・アメリカ】

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

久保建英
エクアドル戦で先発フル出場を果たしたMF久保建英【写真:田中伸弥】

【日本 1-1 エクアドル コパ・アメリカ2019 C組第3節】

 日本代表は現地時間24日、コパ・アメリカ2019(南米選手権)のグループリーグC組第3節でエクアドル代表と対戦し、1-1のドローに終わっている。この結果、日本代表は決勝トーナメント進出を逃す形となり、大会を去ることになっている。

 森保ジャパンは15分に中島翔哉の得点で幸先よく先制するものの、その後守備陣に軽率なミスが目立ち、ドタバタな展開に。そして先制から20分後にアンヘル・メナに同点弾を叩き込まれ、エクアドルに押し込まれる時間帯が続いた。なんとか追加点は許さなかったものの、勝ち越すこともできず。日本代表史上初のベスト8入りに大きく近づきながらドローと、悔しさだけが残る試合となってしまった。

 チームとして1点を守り切れなかったことはもちろん、多くのチャンスを作り出しながら決め切れなかった点も反省材料だろう。しかし、そんな攻撃陣にあって別格の輝きを放っていた選手がいる。18歳、久保建英だ。

 トップ下で先発出場を果たした久保は、立ち上がりから最終ラインよりパスを引き出そうと積極的に動き、ボールを集めた。受けた後は常に意識を前へと向かせ、ドリブルやパスでリズムを生む。相手を引き付けながら視野を広く保てるため、空いたスペースへ味方を誘導し、そこへ効果的なパスを送り込んだ。

 67分にはボールを受けた久保がドリブルを開始し、顔を上げFW上田綺世のポジションを確認すると、そこへ正確なパスを通し決定機を演出。85分には中央で上田とパス交換しながら徐々に相手ゴールへ迫っていき、最後は中島にパスを通し、フィニッシュまで持っていかせている。

 このように、90分間前線で様々な役割を果たした久保。シュート数は3本、決定的なパスは7本と申し分ない成績を収めた。さらに「Opta」によれば、1試合におけるシュート関与数「10回」はルイス・スアレス、ハメス・ロドリゲスに次ぐ今大会3番目の記録だという。世界トップレベルの選手たちと張り合うほどの活躍を見せたと言える。

 もちろん久保の活躍はエクアドル戦だけでなく、大会を通して光っていたと言える。データサイト『Sofa score』によると、久保はグループリーグ3試合で合計8本の決定的なパスを出しているという。その「8本」という数字はコパ・アメリカ2019の中で4位タイの成績となっている。同じく8本を記録しているのはニコラス・ロデイロとアレクシス・サンチェスのみである。

 さらにドリブル成功数でも大会の中で5位タイの成績を収めるなど、久保はまさしく世界トップレベルのプレーを披露したと言える。まだ18歳の同選手だが、すでにそのポテンシャルは解き放たれつつある。

 来季からレアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム相当)でプレーすることが決まっている久保。すでに同選手に向けられている注目はかなり大きいと見ていいだろうが、ラウール・ゴンサレス監督の下、18歳の天才はどのような成長を果たすだろうか。

【了】

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