首位・FC東京を支える森重真人の存在。「十分代表クラス」の貫禄、指揮官を唸らせるその能力

明治安田生命J1リーグ第21節、FC東京対セレッソ大阪が3日に行われ、ホームのFC東京が3-0と大勝した。前半抑え気味に入った東京は、DF森重真人を中心とした守備でC大阪の攻撃をしのぎ切ると、後半はセーブしていた力を一気に放出。怒涛のゴールラッシュで堅守を誇る相手から3点を奪った。この試合で得点も決め、長谷川健太監督も再度の日本代表入りを“推薦”するほどのパフォーマンスを見せる、ディフェンスリーダーの充実ぶりとは。(取材・文:下河原基弘)

2019年08月07日(Wed)10時41分配信

text by 下河原基弘 photo Getty Images
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最終ライン支えた森重真人

森重真人
FC東京のDF森重真人【写真:Getty Images】

 貫禄漂う90分だった。センターバックとして、冷静に最終ラインを統率するDF森重真人。的確な指示で相棒のDF渡辺剛や周りの選手を動かしながら、自分自身も体を張ってセレッソ大阪の攻撃陣にゴールを許さない。相手の攻めの一歩先を読む抜群のカバーリングに加え、ボールを持てば定評のある足もとの技術でビルドアップの中心として機能した。

 1-0の後半23分には、敵陣右サイドからのMF三田啓貴のFKに対し、タイミングよくニアに入りコースを変えて今季自身初ゴールもマーク。「今チームの状態はすごくいいし、1人1人も戦っている。そういう姿を僕も後ろから見せていかないといけないと思っていたし、今日は見せられたと思います」と3-0の快勝に目を細めた。

 前半は長谷川健太監督が「私自身が選手の手綱を引っ張って、前から行かせないようにした」と話すように、意図して抑え気味にしたがC大阪にペースを握られた。危ない場面もあったが、前半11分にビッグセーブを見せたGK林彰洋らとともに、森重が柱となって粘り強く対応し、相手の攻撃を0点に抑えた。

 そして力を蓄えて迎えた後半、開始早々の2分に左サイドからのクロスをFW永井謙佑が頭で決めて先制。同23分に森重がセットプレーから追加点を奪うと、ロスタイムにはけがから帰ってきた途中出場のFWジャエルのアシストで、エースFWディエゴ・オリヴェイラがとどめの3点目。狙い通りの戦いで、難敵を撃破した。

「本当に代表に呼ばれてもおかしくない」(長谷川健太)

長谷川健太
「本当に代表に呼ばれてもおかしくない選手」と長谷川健太監督も森重を絶賛する【写真:Getty Images】

 完封勝ちに背番号3は、「ちょっと雑なところもありましたけど、剛とのコンビネーションもよくなってきていますし、夏場どうやって戦うのかというのは、それぞれコンディション見ながら、チームの動きを見ながら、やっていかないといけないと思っています。1つこれというのを見つけるのでなく、試合の中で今日みたいにうまく対応できればいいかな」と臨機応変さを見せた守備に手ごたえを感じていた。

 これでチームは2試合連続の完封勝ちで、勝ち点を45に伸ばし首位を快走。2位との勝ち点差も6に広がり、悲願のリーグ初優勝も見えてきた。その“強い東京”を土台から支えているのが、今季ここまでリーグ戦21試合にフル出場し、ハイパフォーマンスを続けている森重だ。

 盤石のディフェンスリーダーに対し、長谷川監督は「本当に代表に呼ばれてもおかしくない選手だと思います」と言い切った。続けて「駆け引きも非常に素晴らしいですし、ビルドアップもやっぱり技術と言う部分では日本の中、Jリーグではトップクラスの選手」とコメント。

「次のワールドカップをにらんでという所では、(年齢的に)なかなか森保監督も難しいとは思いますが、ただ今、現時点では十分代表クラスのプレーをしていのではないかなと思います」と自信を持って“推薦”した。普段の練習からプレーをつぶさに見てきている指揮官だからこそ、その充実ぶりが分かるのだろう。

 ロシアW杯に向けて、コンスタントに日本代表に入り続けていた森重。だが2017年6月の親善試合の代表から漏れると、同年7月2日のC大阪戦で左腓骨筋腱脱臼のけがを負い手術も受けた。翌年には復帰したが、W杯のメンバーからは漏れてしまった。

 またチームとしても、この試合を1-3で落とすと、その後もC大阪にはリーグ戦では敗れ続けて5連敗中だった。背番号3は、けがをしたのが2年前の同カードだったことについて「もう、忘れてました」と一笑に付したが、その相手に快勝できたのは、チームにとっても、個人にとってもポジティブなことだろう。

昨季失速した夏を連勝で乗り切るか

 今夏、センターバックのレギュラーだったDFチャン・ヒョンスが海外移籍。J屈指の守備の名手が抜けたことでチームが変調をきたしてもおかしくなかったが、森重は豊富な経験と高い能力で最終ラインを支え、影響を最小限に抑えている。代わって出場し奮闘している渡辺のことも、うまくリードし、FC東京はリーグ戦21試合を終えて失点は16。1試合平均の失点は1を下回る。

「前節の課題を、次の試合に向けて取り組むということは今年1年やってきました。今日の試合を見ても、まだまだダメなところもあったので、そこは次の試合に向けて1週間準備して、また次の仙台戦やっていきます」と話した背番号3。慢心など欠片も見られない。

 長谷川監督が「1週間しっかりコンディションを作って、ゲームに合わせてくれている。そういう意味でも引っ張っていってくれていると思っています」と信頼を置くディフェンスリーダーを中心に、昨年失速した夏を、今年は連勝で乗り切る。

(取材・文:下河原基弘)

【了】

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