外国人が見たモンゴル戦。「『格下に国内組』は必要ない。Jリーグ選手に失礼」「アンリの名言ですが…」

2019年10月11日(Fri)1時00分配信

シリーズ:英国人が見た○○戦
text by 編集部 photo Getty Images
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「23人のリストはベストであるべき」

――試合は6-0で終わりました。この試合を振り返っていただけますか?

ヒマー「とりあえずjob doneですね。ワンタッチのパス回し、運動量は一番評価できるのではないでしょうか」

ダバディ「私も賛成です。とにかく運動量は素晴らしく、プレーのスピードもトップレベルでした。相手のレベルが高くなったら、中島選手はドリブルをやりすぎないように、ボールサイドにもっと入ってほしいです」

ヒマー「相手が強くなればそういう余裕はなくなるかもしれないですね。そうだといいんですけどね」

――この試合についてはベストメンバーを組むべきか、という議論もありましたが、お二人はどう思いますか?

ダバディ「ベストメンバーの議論はあくまでジャーナリストやサッカーファンたちの論争ですね。森保監督はどの選手を使うかよりも、どのシステムで相手を崩すかしか考えていないはずです」

ヒマー「ヨーロッパ予選は比較的レベルが高いのでベストメンバーですが、3-0や4-0となれば、メンバーチェンジして運動量を落としますね。怪我は怖いですし、プレミアのクラブに怒られちゃうから(笑)。個人的には日本もベストメンバーでいってほしいです」

ダバディ「そうね。難しいですが、相手が弱いから国内組で行こうというのは、今の日本代表には必要ない考え方ですし、Jリーグの選手に失礼ですから。23人のリストはベストであるべき、私はそう思います。代表という品格を考えるとね」

――今後の日本代表の戦いについてはどう思いますか?

ダバディ「森保監督が目指しているサッカーを、残り2年でどれだけ伸ばせるか。頭をフル稼働させるために、つねに考える材料が必要です。材料が良ければ良いほど、閃きがあります。日本はサッカーもラグビーも、運動量は世界基準に達しています。次のステップは『頭を使って、自分で考えること』ですね」

――「頭を使って、自分で考えること」というのをもう少し教えてください。

ダバディ「たとえば、伊東選手は良いケーススタディです。昔から才能は申し分なく、運動量も判断も日々よくなっています。しかし、サイドで突破して相手がいなければ、センタリングを上げるのではなく、みずからペナルティエリアに入りPKを誘ったり、バックパスを考えたり、味方の選手に指示を出しながら、壁パスのシチュエーションを引き出したりできます。ティエリ・アンリの名言ですが『サッカーは自分が思っている以上に、時間がある』。焦らない、ファーストチョイスをすぐ選ばず、セカンドとサードチョイスを広い視野でみる、アメフトのクオーターバックのようにね。」

――ありがとうございました! 次回もよろしくお願いします!

▽語り手
アラステア・ヒマー

英国の大学を卒業後に来日。1997年よりスポーツライター、編集者としての活動を開始。ロイター通信では12年以上に渡り、東京を拠点に特派員として活動。2014年にAFP通信社に移り、スポーツandライフスタイル特派員に。近年では、サッカーワールドカップ(2014年)、リオデジャネイロ五輪(2016年)など、主要国際大会も取材している。

フローラン・ダバディ
フランス、パリ生まれ。1998年、映画雑誌『PREMIERE』日本版のエディターとして来日。99年~02年まで、サッカー元日本代表トルシエ監督の通訳兼アシスタントを務めた。現在はスポーツジャーナリスト、WOWOWのテニス中継のナビゲーター、フランス大使館のイベントの制作に関わるなど幅広く活躍している。

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