日本代表、噴出すべき森保監督解任論。韓国戦惨敗招いた戦術的「無策」とハリル解任の前例【E-1サッカー選手権】

日本代表は18日、E-1サッカー選手権で韓国代表に1-0で敗れた。この敗戦で森保一監督の解任論が噴出してもおかしくない。2年前は同じ状況でハリルホジッチ監督の解任へとつながった。戦術的にも圧倒されたこの一戦を重く受け止めるべきだ。(取材・文:植田路生【釜山】)

2019年12月19日(Thu)8時50分配信

text by 植田路生 photo Shinya Tanaka
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2年前、同じく日韓戦に敗れてハリルはクビに

日本代表の森保一監督
日本代表の森保一監督【写真:田中伸弥】

【日韓戦どこよりも早い採点はこちら】

 まるで2年前のデジャブかと思うような酷い敗戦だった。結果はもちろんのこと、内容もすこぶる悪い。2年前のハリルジャパンは1-4(ホーム)、今回の森保ジャパンは0-1(アウェイ)とスコアこそ大きく異なるが、惨敗という意味では同じだろう。

 こうなると、森保一監督の解任論が出てきてもおかしくない。2年前、同じく日韓戦で敗れたハリルホジッチ監督には内外から大きな批判が集まり、解任への動きは加速した。他の要素もあったにせよ、日韓戦の敗北が解任の大きな引き金になったのだ。

 ここで森保監督の解任に舵を切るなら、ハリルホジッチの一件との整合性はとれる。だが、森保体制を維持するのであれば、しかるべき立場の人間は説明責任を果たすべきだ。この試合内容の一体何を評価しているのかを。

 森保監督は試合後に「相手の圧力に押されてしまったところで主導権握れず、先制点を許して余裕を与えてしまった」と語った。確かにホームの大声援を受けた韓国のプレスは目をみはるものがあったが、戦術的に終始負けていたことを見逃してはいけない。

 韓国は日本の3バックの脇を狙ってきた。ロングボールを3バックの脇のスペースに蹴り、そこに前線の選手が走り込むことで日本のラインを押し下げた。韓国の縦に早い攻撃に日本の守備陣は対応できず、数的不利の状況を多くつくられた。

 相手が3バックである場合、この戦術は鉄板である。例えば、日本代表はロシアワールドカップのベルギー戦で、相手3バックの脇にできたスペースを活用することでチャンスにつなげていた。

 対策できないはずがないのだが、まんまとやられていた。加えて、試合中も修正できていなかった。同じ攻撃パターンに何度もやられていたのである。

戦術的無策。監督の力量で差が出た

 攻撃でもわかりやすくやられている。韓国は日本のボランチに執拗にプレスをかけてきた。日本の攻撃はボランチを起点としていることがほとんどだからだ。ボランチの田中碧と井手口陽介がプレスをかわせなかったため、ボールを後ろに一旦下げて攻め直しをせざるを得なくなり、必然的にチャンスは減った。

 他の選手がボランチに近づいてビルドアップの手助けをする、あるいはボランチではない場所に起点をつくるなど、流れを変える手段はあるはずだが、試合中に修正されることはなかった。

 相手がしっかり日本対策をしてきた場合、そこを打ち返せないのはアジアカップ決勝のカタール戦と同じ。対策の対策はなく、まずは自分たちのサッカーをする。戦術的に後手になると、対応できずに試合が終わる。後手というより、この試合に限れば無策に近い。

 韓国も日本も海外組を招集できず、メンバー編成への難しさはあった。だが、条件としては同じである。日本はJリーグ、韓国はKリーグとJリーグの選手を中心としたメンバーとなり、選手の質は一緒ということになる。差を分けたのは戦術、監督の力量だ。韓国の選手たちが戦術的意図をしっかり理解してプレーしていたことを忘れてはならない。

 森保体制になってから、日本代表はチームとしての成長はほとんど見られない。手の内を見せてない可能性もあるが、この韓国を相手に弱点を突き、対策ができないようで、さらに上のレベルで戦えるだろうか。

 アジアカップ、コパ・アメリカ、E-1と森保ジャパンは3つの大会を終えた。ここで1つの評価を出してもいい頃だろう。このままでカタールワールドカップを戦えるのかどうかを。私は厳しいと思う。チームとしての上積みは期待できない。今後の成長プランがあったとしても明らかになっておらず、想像の域を出ない。そしてそれがオープンになることはない。

 森保監督を続投させるのであれば何らかの理由付けが必要だ。この一敗はそれほどまでに重い。

(取材・文:植田路生【釜山】)

【了】

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