大分トリニータ、“カタノサッカー”で昇格から台風の目に。エース退団の穴は埋められず【2019年Jリーグ通信簿】

J1リーグの2019シーズン全日程が終了し、まもなく新シーズンが幕を開けようとしている。昨季の1年間、各クラブはどのようなシーズンを過ごしたのだろうか。今回は、9位の大分トリニータの2019年を振り返る。(文:編集部)

2020年01月09日(Thu)10時10分配信

シリーズ:2019年Jリーグ通信簿
text by 編集部 photo Getty Images
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センセーショナルだった“カタノサッカー”

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2019年は9位という結果だった大分トリニータ【写真:Getty Images】

 大分トリニータの戦いは、序盤戦最大の番狂わせとなった。

 2016年から指揮を執る片野坂知宏監督の下、J3、J2とステージを上げていき、昨季は久々にJ1の舞台に戻ってきた。メンバーを大きく入れ替えてJ1の戦いに備えたが、J1での実績がある選手は決して多くない。下馬評は決して高いものではなかった。

 3-4-2-1のシステムでGKが積極的にビルドアップに参加するスタイルは、J1の中でも異質な存在だった。チームのパス成功数3位にGK高木駿が名を連ねていることが、指揮官が標榜する“カタノサッカー”の特徴を端的に表している。

 開幕戦で鹿島アントラーズに勝利した大分は、12節までに勝ち点24を積み重ね、AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得を狙える位置につけていた。藤本憲明は7得点を挙げて、一時は得点ランキングトップに躍り出た。

 しかし、転機は8月に起きた。得点源だった藤本がヴィッセル神戸に電撃移籍してしまう。エースが抜けた最前線には、シャドーでプレーしていたオナイウ阿道がスライド。シーズン10得点をマークしたオナイウにとっては、11月には日本代表に選出される飛躍のシーズンとなった。しかし、藤本の移籍を境にチームの平均得点は、1.2点から0.8点へと減少した。

 最終ラインでは鈴木義宜が3季連続となるフルタイム出場を達成。右センターバックに定着した岩田智輝は4得点2アシストと攻撃面でも数字を残し、日本代表としてコパ・アメリカ(南米選手権)にも出場した。

 年間を通じて序盤の勢いを維持できなかったことは来季への課題となる。それでも、新加入選手もすぐにフィットできる指揮官の指導力と眼力も同時に見ることができた。

 今季もJ1で戦うチームはオフに積極的な動きを見せている。得点力不足に悩まされた前線には知念慶を川崎フロンターレから期限付きで獲得し、町田也真人、野村直輝、渡大生といったアタッカー陣を獲得した。就任5年目を迎える片野坂監督の下、カタノサッカーを進化させることはできるのだろうか。

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