長谷部誠、19/20前半戦の評価は? 守備の中心に君臨も、ポジションが安泰でない理由【欧州日本人中間査定(7)】

新年を迎え、2019/20シーズンは後半戦へと突入した。欧州各国でプレーする日本人選手たちはどのような活躍を見せたのか。今回はフランクフルトでプレーする長谷部誠の前半戦を振り返る。(文:編集部)

2020年01月21日(Tue)10時00分配信

シリーズ:欧州日本人中間査定
text by 編集部
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犯したファールはわずか2つ

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フランクフルトでプレーする長谷部誠【写真:Getty Images】

 契約を1年延長して迎えた2019/20シーズン、長谷部誠はフランクフルトで6度目の開幕を迎えた。

 昨季に続いてチームはUEFAヨーロッパリーグ(EL)と国内の試合を並行して戦うことになった。昨シーズン終盤の不調が響いてリーグ戦は7位に終わったため、ELは予選2回戦から登場した。3回戦は1stレグで大差がついたために長谷部は2ndレグを欠場したが、それ以外の5試合にフル出場し、チームをグループステージ進出へと導いた。

 7月下旬からEL予選を戦い、リーグ戦が始まれば木曜日のELと週末のリーグ戦の連戦が続く。過密日程を消化するチームは徐々に調子を落としていった。第10節のバイエルン戦では5-1という歴史的大勝を収めたが、以降はケルン、パーダーボルンといった降格圏に沈む相手にも敗れ、1勝5敗1分けという数字でウインターブレイクへと突入した。

 3バックの一角としてプレーする長谷部は、興味深いスタッツを残している。1170分プレーしたリーグ戦で犯したファールはわずかに2つ。さらに、予選を含めて10試合戦っているELでもファールは2つしか犯していない。屈強なFWとマッチアップが避けられないポジションではあるが、長谷部らしいポジショニングの巧さが表れたスタッツと言えるだろう。

 敵地のアーセナル戦では出色の活躍を見せた。チームは先制されたものの鎌田大地の2得点で逆転勝利。3バックの中央でフル出場した長谷部は対人勝率71%を記録し、アーセナルの攻撃陣を最少失点に抑えている。

リーグ通算300試合出場の偉業

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長谷部誠はウニオン・ベルリン戦でGKケビン・トラップと交錯するアクシデントに見舞われた【写真:Getty Images】

 2008年に浦和レッズからヴォルフスブルクに加入して12年が経過し、18日には36歳の誕生日を迎えた。昨年12月18日のケルン戦にフル出場した長谷部は、ブンデスリーガ通算300試合出場を達成している。

 今季のパス成功率はチームトップの90%を記録し、攻撃の起点となっている。対人守備の強さを誇る左利きのマルティン・ヒンターエッガー、主将のダビド・アブラアムと3バックを形成。前半戦で長谷部はリーグ戦13試合、ELでも予選を含めて10試合に出場した。

 9月27日のウニオン・ベルリン戦では後半終了間際にGKケビン・トラップと交錯するアクシデントに見舞われた。脳震とうによる影響が懸念され、直後のELは欠場した。しかし、9日後のブレーメン戦ではキャプテンマークを巻いてフル出場を果たしている。

 長谷部を含めたDF陣は奮闘しているものの、守備陣は崩壊した。リーグ戦17試合の失点数は29を数え、ホームにケルンを迎えた第16節では4失点を喫している。「彼らはメンタル面、身体面に疲れ切っている。それでも戦いに挑もうと努力していた」。アディ・ヒュッター監督はケルン戦後にチームをかばうコメントを残している通り、前半戦だけで31試合を戦っているチームの疲弊は明らかだった。

 この試合でチームは後半途中から4バックに変更し、長谷部は最終ラインから中盤にポジションを移した。不調に陥ったチームは適切な形を模索している。

後半戦は新たなポジション争いに?

 守備の要として欠かせない存在となっている長谷部だが、後半戦は定位置を失う可能性もある。前半戦のフランクフルトは13位に沈み、2部とのプレーオフへと進む16位との勝ち点差はわずか3ポイントしかない。ヒュッター監督は前半戦の不調を脱するため、ウインターブレイクを利用して4バックを本格的に導入している。

 守備陣の再構築に向けて指揮官は「DFが何人いようと、ラインが穴をあけないことが大事。我々は守備におけるポジショニングの改善が必要で、メンバーを問わずよりフレキシブルな対応を見せなければならない」と話す。今後は3バックと4バックの併用が予想されるが、4バックを採用するとなればヒンターエッガー、アブラアムと最終ラインの2つのポジションを争うことになる。

 長谷部を中盤で起用するプランもあるようだ。ヒュッター監督は後半戦開幕を前に、「4バックの1人としてプレーしたことがあるし、6番(ボランチ)も経験している」とチーム最年長の日本人MFについてコメントしている。その場合、セバスティアン・ローデやジブリル・ソウ、ドミニク・コーアといった面々とポジションを争うことになる。

 ウインターブレイク明け初戦となった18日のホッフェンハイム戦に、長谷部の姿はなかった。注目の最終ラインは4枚が並び、センターバックにはヒンターエッガーとアブラアムが起用されている。背番号20はベンチにも入っていなかった。

 しかし、後半戦のフランクフルトはリーグ戦と決勝トーナメントを戦うELに加えて、ラウンド16に勝ち進んだDFBポカール(ドイツ杯)も控えている。チームが3つのコンペティションを戦う中で、長谷部は2つのポジションで出場機会を争うことになりそうだ。

(文:編集部)

【了】

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