FC今治の新スタジアム、目指すは日本一安い30億円規模! コンセプトは“里山スタジアム”

2020年01月26日(Sun)22時52分配信

photo 宇和川勝也
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FC今治の新スタジアム【写真:宇和川勝也】
FC今治の新スタジアムのイメージ【写真:宇和川勝也】

 2020年1月26日にイオンモール今治新都市でFC今治の新体制発表会が行われた。スポンサー紹介、新ユニフォーム紹介、岡田メソッドIT化の他、昨年明らかにされた新スタジアムの概要についても発表している。

 新スタジアムの建設地として予定されているのは、現在のありがとうサービス.夢スタジアムがある反対側の敷地。昨年12月に新スタジアム用地無償貸付が今治市議会によって議決されている。新スタジアムを建設する上で、FC今治の岡田武史オーナーはユベントスの本拠地(ユベントス・スタジアム)を例に挙げた。

 今でこそ立派なサッカー専用スタジアムだが、もとは陸上トラック付きの巨大なスタジアム(約6万7000人収容のスタディオ・デッレ・アルピ)だった。それを取り壊し、その中に一回り小さい4万人収容のサッカー専用スタジアム、それもレストランやショッピングモールを入れた複合型スタジアムにしたことで、それまで試合の15分前に来て、終わったらすぐに帰っていたのが、試合の2時間前に来て、終わっても1時間半開けなければならない状況に変わったという。約160km(100マイル)以上先から来る人が、10%から55%に増えたようだ。

 この事例に着眼点を置いた岡田武史オーナーは「あれだけサッカー好きなイタリア人でもサッカーの試合見るためだけに100マイル先から来ない。半日過ごせる場を作ったら100マイル先からでも来る」と考えたのである。それに加えて、岡田武史オーナーは“バリ・ヒーリング・ビレッジ(今治、癒す、村)”という考えを元に、緑豊かな心の拠り所となる“里山スタジアム”を作るというコンセプトを掲げた。それには、これからAIが発展した時、ナビに従うのと同じようにAIに従う時代が来ると考えたところにある。

「ナビに従うのと同じように、AIの言う通りにするという時が来る。その時に、人間てなんだ?という問いが必ず出てくる。人間の幸せというのは、テクノロジーやAIで便利に快適になっていく。それだけじゃなく、何か困難を乗り越えた時に、やったー!とか、誰かと力を合わせて新しい絆ができた時の喜び。こういう幸せもある。両方必要なんだ。後者の幸せに関して、我々はスポーツ・文化を提供できる。そういう場にしようと。試合の時だけじゃなく、365日人が集まってくる場。その中には日頃から健康や教育、そしてスポーツを通じて新しい幸せを感じる人、人間らしさを取り戻す人も出てくる。東京のITや金融でちょっとやられた人が、今治に来たら生き返って帰っていく。そういう拠点にしようと考えている」

 今回、新スタジアムのイメージ図も発表された。建設費は30億円から40億円を想定している。日本一安いスタジアムを作るとの思いを語ったように、前例のないスタジアムを建てようとしている。そのコスト削減の工夫についても明かした。

「なんでもそうですけど、JAXAがロケットを飛ばすと1000億くらいかかるものが、ホリエモン(堀江貴文氏)が飛ばすと200億くらいで出来ると。公共というのはいろいろなことを勘案しなければならないのでコストが上がってしまう。しかし、民間でやれば下がるべきところがある。例えばエスパニョールのスタジアムは4万人収容ですが28億円でできた。日本はなぜ高いのかと言われたら、まず耐震構造。でも、それだけじゃない。業界の仕組みによりコスト高になっている。我々は直で一つ一つ潰していっている。なぜならゼネコンに丸投げしていないので。本気で30億円を目指そうと皆一緒になってやってくれています」

 なお、新スタジアムの計画は2020年10月着工、2022年1月竣工の予定だ。持続可能なスタジアムになる見通しで、作って終わりではなく、拡張や更新が容易にできるものになる。J2クラブライセンス、J1クラブライセンスの基準に合わせて、10000人収容、15000収容へと変化していく。のり面を活用して寝っ転がって観戦できるようなスタイルも考えているようだ。自然豊かなスタジアムにするだけでなく、最先端のIoT技術を活用したスマートスタジアムとなる。いずれにしても、FC今治が民設民営という先鞭をつけて、他のクラブも追従できるような成功を目指していくことになる。

(取材・文:宇和川勝也)

【了】

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