Jリーグ復活への最短距離とは? コロナウイルスの権威が提唱する新たなガイドライン【サッカーと感染症 後編】

終息が見えないコロナ禍のなか、Jリーグ再開が正式に決定された。我々サッカーファン、サポーターは今後、サッカーとどう付き合い、向き合っていけばよいのか。正しい「観戦マニュアル」とはいかに―。サッカーを愛してやまない感染症専門医の第一人者・岩田健太郎教授がすべてのサッカーピープルに向けて、新しいガイドライン「サッカー行動マニュアル」の策定を試みた。6月12日発売の『サッカーと感染症』から、一部抜粋して前後編で公開する。今回は後編。(文:岩田健太郎)

2020年06月04日(Thu)10時05分配信

text by 岩田健太郎 photo football critique
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Jリーグは無観客でやるべき

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【写真:フットボール批評編集部】

【前編はこちら】

 Jリーグは観客なしで選手だけの開催、最初は無観客試合でやるべきだと思います(本稿は5月29日のJリーグ再開方針が発表される前に執筆)。

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「そんなのはプロサッカーじゃない」という不満はあると思います。ライブで観たいという人はたくさんいると思うんですけど、そこは段階が大事で、たくさんの観客が試合を観られるようにするには、やっぱりまずは感染症を抑え込まないといけません。集団を作るのが最大の感染リスクなので、何万人もの人がスタジアムに集まるというのは現実的ではないんです。

 例え、観客席の間隔を十分に空けたとしても、スタジアムまでの道のりで集団が生まれます。あそこがネックですね。多くのスタジアムは最寄り駅から結構歩くじゃないですか。あの間に、どうしても集団が形成されてしまうんです。当初、Jリーグが言っていたアウェーのサポーターをスタジアムに来ないようにするという案も今となってはあまり現実的ではありません。

 一番現実的なJリーグのリカバーとしては、サッカーをしないというわけにはいかないので、サッカーをすることを前提にすると、やっぱり無観客試合が一番可能性が高いんです。こうやって、とにかく可能性の高いところからやっていくべきなんですね。そうしないと、再開すらできなくなってしまうと僕は思います。

三歩進んで二歩下がるがJ復活の近道

 ですので、「許容できるコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)なのか」というところから始めていけばいいと思います。試合観戦の条件は段階的に進めて、例えば半分くらいの観客数で、スタンドでも2メートルくらい間隔を空けるところから始める。

 ヴィッセル神戸のようにチャントなしから始めるとか、何でもいいんですけど、その共有範囲を少しずつズラしていく。それで何か不都合なことがあれば戻していくというのを繰り返して、「三歩進んで二歩下がる」ようなやり方でJリーグを復活させていけばいいんです。

 それでうまくいけばACLもやる。あるいはルヴァンカップも行うというように、徐々に戻していくというのが、回り道のようで一番の近道だと思っています。それ以外にあまり良い方法はないですね。

 ですので、僕は「無観客での開催を」とずっと言い続けているんです。何度も言うように、やはり無観客から始めるのが一番現実性が高いと思います。

(文:岩田健太郎)

感染症対策の権威にして熱烈なサッカーファンである岩田健太郎教授。書籍本編ではイニエスタとの貴重なエピソードも収録! 今だからこそ聞きたい新たな「サッカー行動マニュアル」の詳細は↓をクリック!

9784862555649


『サッカーと感染症』


定価:本体1,300円+税

<書籍概要>
 長いスパンで感染症と付き合わざるを得ないWithコロナ時代に突入した今、もちろんサッカー界も新しい形態、思考にモデルチェンジしていく必要がある。

 サッカーを愛してやまない感染症専門医の第一人者・岩田健太郎教授の“サッカー異論”をフットボール批評編集部がまとめ、サポーター、選手、指導者……すべてのサッカーピープルに向けて、新しいガイドライン「サッカー行動マニュアル」の策定を試みた。

詳細はこちらから

【了】

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