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Jリーグ 4年前

浦和レッズ、レオナルドが「一緒にプレーした最高のMF」とは? J2・J3を席巻したゴールの奪い方【インタビュー 後編】

フットボールに“型”は必要かを考えるために、J3・J2で得点を量産し今期から浦和レッズへ移籍した怪物ストライカー、レオナルド選手にゴールの奪い“型”についてインタビューを敢行。本日6/8発売『フットボール批評issue28』から一部抜粋して前後編で公開する。今回は後編。(文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Editorial Staff

日本サッカーのスタイルに合わせた対応力

レオナルド
【写真:編集部】

インタビュー前編はこちら

――J3の鳥取に加入するにあたって、日本での生活の安全面など理由は聞いていますけど、ストライカーとしてどのように結果を出していこうと思っていましたか?

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「ブラジルと日本のサッカーモデルが違うというのは来る前から聞いていましたので、そこに合わせていかないといけないと思っていました。ブラジルの方が、動きが少なくて、ドリブラーの個人突破が多いリーグ。それに対して日本はよりフィジカルなリーグで、走りも多く、ドリブルよりパスやワンツーで突破していくというイメージがありました」

――なるほど。

「ですので、日本に来て変えたところは自分のフィジカルコンディションです。フィジカル的に準備することによって、さらに自分にとってプレーしやすい体づくりができたと思います。スピードやアジリティ等が上がりました」

――当時アドバイスを受けたJリーガーはいましたか?

「鳥取に来た時はフェルナンジーニョ選手が大きな力になりました。兄のような存在で、日本でのプレーのアドバイスをたくさんくれました」

レオナルドが語るゴールの“型”

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福島ユナイテッド戦の決勝ゴールにおけるレオナルドやボールの動き

――フェルナンジーニョ選手は日本に来たブラジル人の中でも優れたパサー、ラストパスを出す選手だと思うんですけど、そういう選手と組んだ時に意識していたことは?

「フェルナンジーニョ選手は自分が一緒にプレーした最高のMFだと思っています。彼は周りにとって予想外のパスを出すんですけれど、そこを合わせるのは練習でした。練習の中でも、彼はボールを持ったら僕のことを意識してパスを出してくれましたので、鳥取にいた時の24ゴールのうち、多くが彼のアシストによるものでした」

――鳥取で強く印象に残っているのは3得点を決めた福島ユナイテッド戦です。あの試合は4-3で鳥取が勝利していますが、3-3の同点から決勝点になったレオナルド選手の3点目はフェルナンジーニョ選手から右サイドの小林智光選手にパスが出て、その折り返しのボールを決めているんですけど、あの時に左のワイドから瞬間的に右へ動いて合わせています。フェルナンジーニョ選手から起点のパスが出た瞬間に、どういうイメージを描いていましたか?

「このゴールは浦和での1点目(ルヴァン杯のベガルタ仙台戦)とよく似ているゴールだったと思います。僕はディフェンダーと並走して競るというより、ディフェンダーのミスも予測しながら少し引いて、マイナスのボールを狙ったりもしています。浦和での関根選手からのボールも、鳥取での小林選手からのボールもマイナスでしたけれど、そうした形から生まれたゴールです。ただし、相手チームにバレてしまいますので、ディフェンダーが引いた僕に付いて来られるようになったら、この記事のせいだと思うようになります(笑)」

(文:河治良幸)

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『フットボール批評issue28』


定価:本体1500円+税

<書籍概要>
 とある劇作家はテレビのインタビューで「演劇は観客がいて初めて成り立つ芸術。スポーツイベントのように無観客で成り立つわけではない」と言った。この発言が演劇とスポーツの分断を生み、SNS上でも演劇VSスポーツの醜い争いが始まった。が、この発言の意図を冷静に分析すれば、「スポーツはフレキシビリティが高い」と敬っているようにも聞こえる。

 例えばヴィッセル神戸はいち早くホームゲームでのチャントなど一切の応援を禁止し、Jリーグ開幕戦のノエビアスタジアム神戸では手拍子だけが鳴り響いた。歌声、鳴り物がなくても興行として成立していたことは言うまでもない。もちろん、これが無観客となれば手拍子すら起こらず、終始“サイレントフットボール”が展開されることになるのだが……。

 しかし、それでもスタジアムが我々の劇場であることには何ら変わりはない。河川敷の土のグラウンドで繰り広げられる名もなき試合も“誰かの劇場”として成立するのがスポーツ、フットボールの普遍性である。我々は無観客劇場に足を踏み入れる覚悟はできている。

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▽レオナルド( LEONARDO Nascimento Lopes de Souza )
1997年5月28日生まれ 、ブラジル・サンパウロ州出身 。2018年サントスからガイナーレ鳥取へ移籍。移籍初年度でハットトリックを達成するなど、24得点を記録しJ3得点王のタイトルを獲得。2019年シーズンよりアルビレックス新潟に移籍。J2でも類まれな得点感覚で28得点を記録し2シーズン連続の得点王を獲得。J3 、J2での活躍が認められ2020年J1浦和レッズへ移籍。

【了】

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