大分トリニータ、“カタノサッカー”は継続。爆発力に欠ける新戦力をどう料理するか【2020年J1補強診断】<再掲>

2020年のJリーグが開幕する。新シーズンに向けJ1各クラブはどのような補強を行ったのだろうか。今回は、J1復帰1年目だった昨季9位と躍進した大分トリニータを取り上げる。※2020年2月14日のものを再掲

2020年07月04日(Sat)13時00分配信

シリーズ:2020年Jリーグ補強診断
text by 編集部 photo Getty Images
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“カタノサッカー”にぴったりの人材を確保

片野坂知宏
【写真:Getty Images】

 大分トリニータを3年でJ3からJ1に引き上げた片野坂知宏監督は、今季で就任5年目を迎える。”カタノサッカー”と称された緻密な戦術は日々成熟していき、昨季はJ1復帰1年目で9位という好成績を残した。

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 一方、大分で成長を遂げて旅立っていく選手も増えている。昨季途中にFW藤本憲明がヴィッセル神戸へ移籍し、天皇杯優勝に貢献した。さらに昨季J1で10得点を挙げたFWオナイウ阿道は、移籍元の浦和レッズへの復帰ではなく、J1王者になった横浜F・マリノスへの移籍を決断している。

 今季の大分は昨季35失点を誇った守備力を維持しつつ、総得点を「35」から「50」に増やし、「勝ち点55で6位」という目標を掲げる。「優勝」を宣言せず、一歩ずつ前に進んでいく方針を打ち出したのは、片野坂監督らしさか。

 移籍市場では活発に動いた。オナイウの抜けた穴には、川崎フロンターレからFW知念慶、サンフレッチェ広島からFW渡大生の2人を獲得。ともに戦術的な柔軟性を持ってプレーできるマルチなストライカーで、対戦相手ごとに緻密な戦術を仕込む大分のスタイルに合致する特徴を備える。

 2列目に加わるFW町田也真人とFW野村直輝も、しっかりとした技術をベースに多彩な役割に応えられる特徴を持ったアタッカーだ。ともにJ1での実績は乏しいが、過小評価されてきた選手を伸ばし、武器を戦術に反映していく術に長けた指揮官の特徴に合った新戦力と言える。

 今季の新戦力の多くはJ2以下のクラブから獲得したが、いずれもポジション争いに加わってチームの中で力を発揮するイメージを抱きやすい選手なのは、強化部門のスカウトの目の確かさ故。それでもクラブの財政規模も考慮すると、J1クラブから主力級を引き抜く力がなかったとも言える。

 もともと1人の選手に頼ったサッカーではないが、困った時にボールを預ければ問題が一気に解決するような個の爆発力はない。現状で昨季以上の成績を残すには、チーム全体が大きく成長しなければならないだろう。そのためにはシーズン序盤でつまづくことだけは避けたい。

 GK高木駿から、DF鈴木義宜、DF岩田智輝、DF三竿雄斗で構成されるディフェンスライン、セントラルMFの小林裕紀を経由し、2列目のMF小塚和季へとつながるビルドアップのラインは不動。アップデートし続けるにあたってのベースとなる戦術の熟成度は高いだけに、新戦力を組み込んでバリエーションを増やしつつ上位に進出という目標を達成するには片野坂監督の手腕がカギになる。

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