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吉田麻也が「あっという間の90分」で感じたこと。システム論には警鐘「ザッケローニ監督の時に…」

text by 編集部 photo by Getty Images

吉田麻也
【写真:Getty Images】

 日本代表は現地9日に国際親善試合でカメルーン代表と対戦し、0-0の引き分けに終わった。

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 キャプテンを務めるDF吉田麻也は「こういうフレンドリーマッチを開催できて、しかもなかなか日本代表が対戦できないアフリカのチームと、非常にいいコンディションのチームと対戦できたのは意義のあることだと思いますし、最初のプレーから非常にいいチームだと感じたので、とても意義のある試合だったと思います」と試合を振り返った。

 新型コロナウイルスの影響で欧州組のみの招集になった日本代表と同じく、カメルーン代表も欧州でプレーする選手のみで構成されていた。さらにオランダでの試合開催となったため、移動による負担も少なく両チームともにコンディションは良好。

 日本で開催される国際親善試合の場合、長距離移動を強いられたアウェイチームの状態が悪いことも多く、今回のような試合の価値は高い。もちろん0-0というドローからも得られるものは多かったはずだ。

 吉田は「久しぶりの代表で、コンビネーションだったり、やり方だったりが自チームとまったく違う選手もいるでしょうし、そういう中で2つのフォーメーションを試せた、新しい選手を試せた、強い相手とできたのは、チームにとっては非常に大きな強化になったと思います」と手応えを語った。

 また、「何より個人的には1年ぶりの日本代表の試合で本当に楽しかったですね。あっという間に90分が終わってしまいました」と、再び国を背負う喜びを感じながらのプレーが実現したことへの充実感も口にした。

 カメルーン戦では後半に4バックから3バックへのシステム変更も試み、実際に展開が大きく変わった。前半よりも好転したように見えたが、吉田は「3バックはまだまだ動きの質を変えていかなければならない」と未完成であることを強調する。そして、「4バックか3バックか」というようなシステム論に飛びつくことへの危険性にも言及した。

「4バックでうまくいかないときに、こういうふうにオプションがあるのはチームとして幅ができるんじゃないかと思いますけど。まあ、あまり3バックか4バックとこだわって、大きくテーマを真っ二つに割るんじゃなくて、(アルベルト・)ザッケローニ監督のときに、そこだけが際立ってしまってうまくいかなかったことがあるので、うまく使えるようになりたいと思います」

 これからも試合中に選手の配置や構成を変えながら戦うケースも出てくるだろう。1年ぶりの集合ながら、短期間で複数のシステムをある程度使える状態まで形にしたチームの努力は特筆に値する。

 状況に応じた柔軟性を身につけつつある日本代表が、これからどう変化していくのか、13日のコートジボワール代表戦でも注目したいところだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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