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イニエスタ、契約延長で給与面は「かなりの歩み寄り」も。ヴィッセル神戸・三木谷会長「彼らしい。本当に感謝」

text by 編集部 photo by Getty Images

アンドレス・イニエスタ
【写真提供:ヴィッセル神戸】

 ヴィッセル神戸は11日、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとの新たな2年契約締結を大々的に発表した。

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 記者会見に登壇したヴィッセル神戸の三木谷浩史会長は「この発表は単なる2年間の契約延長ということ以上に、ヴィッセル神戸がアジアのNo.1クラブになっていくプロジェクトにイニエスタが継続的に参加をし、そして引っ張っていくという意味合いがあるとご理解いただきたいと思っております」と、名手との契約延長を誇った。

「バルセロナやスペイン代表で、本当に数え切れないほどの栄光を手にして、プレーだけでなくスポーツ選手、あるいは人間としてのリスペクトを世界中から集めているイニエスタが継続的に日本でプレーしてくれることは、日本のサッカー界にとっても非常に大きなことではないかと思います」

 三木谷会長の言葉通り、「イニエスタ」の存在によってJリーグの国際的な知名度は大きく向上した。国外向けの放映権販売も以前に比べて大きく前進している。また、イニエスタの加入によってヴィッセルは天皇杯優勝を果たし、初出場だったAFCチャンピオンズリーグでもベスト4進出を果たすなど国際大会での実績も生まれた。

「これからもヴィッセル神戸、そしてJリーグでますます活躍し、リードしていってくれると思いますし、彼の哲学、そして取り組む姿勢がサッカーをやっている若者だけでなく、日本全体に本当に大きな影響を与えてくれるのではないかということで、私も本当に期待をしております」

 イニエスタは11日に37歳の誕生日を迎えたが、次の契約満了時には39歳。本人も「いつまでもサッカー選手としてピッチでプレーし続けることはできないので、いつか終わりはくるものです」と語る通り、今回の新契約は事実上の“生涯契約”と言ってもいいだろう。

 キャリアの終盤に差し掛かっても絶大な影響力を誇り、ワールドクラスの実力を維持しているイニエスタに大きな期待を寄せる。しかも、今回の契約延長にあたってイニエスタ側は報酬の面で大きな条件ダウンに応じたという。

 三木谷会長は「新型コロナウイルスによって、ヴィッセルだけではなく、様々なクラブが経済的にも大変厳しい状況にあります。その中で本当に『イニエスタらしいな』と思うんですけれども、経済面でもかなり歩み寄りをしていただいて、本当に感謝しています。どうもありがとうございます」と感謝の気持ちを述べた。

 イニエスタは日本を「第2の故郷」と表現し、Jリーグやヴィッセルでのプレーに高いモチベーションを保ち続けている。条件面での譲歩も本気でヴィッセルのために戦い続ける意思の表れだろう。

 自らの今後について「サッカー選手としてのキャリアをここで最後まで続けていきたいと思っていますし、サッカー選手としてだけでなく、このクラブ(ヴィッセル)とは今後もいろいろな形で常に関わり続けていきたいと思っています」と語るのも本音だろう。

 ヴィッセルでの挑戦を続ける決断を下した、イニエスタのさらなる躍動を楽しみにしたい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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