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日本代表 3年前

日本代表はなぜネジを緩められないのか? 格下相手でも容赦しない事情、ザッケローニ監督時代と違うのは…【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

運動量と集中力の低下、そして新布陣のテスト



 後半17分から4-3-3のテストをしている。守田英正をアウト、遠藤航をアンカーに置いて、大迫の下に伊東、鎌田、南野、原口元気の4枚をならべる形になった。南野をはっきりインサイドに置いて鎌田とハーフスペースを分け合っている。

 SBの室屋成と長友佑都は高い位置で幅をとるので、かなり攻撃に振り切った布陣といえる。この変更の少し前には、守備時に前線が4人になる4-2-4に近い配置になっていた。ハイプレスには向いているが、ボールへのプレスそのものは曖昧になっていて、あっさり通過されている。つまり、ハイプレスのために意図的にそうしていたのではなく運動量と集中力が低下してそうなっていた。

 その修正のためなら守田から原口への交代は辻褄が合わないので、4-3-3は予定していたテストなのだろう。攻撃圧を最大にした。そこから4得点しているので成果は出たともいえるが、前線の渋滞も生じている。このテストだけで4-3-3をメインシステムに変更するとは考えにくい。ただ、こうしたテストは必要だ。

 代表チームの1年は短いようで長い。やがて五輪代表からの合流もある。可能性を探る作業は続けなくてはいけない。

(文:西部謙司)

【了】

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