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日本代表 3年前

大迫勇也の5得点が持つ価値とは? 「大事なのは今じゃない」今季0ゴールの日本代表エースが道を切り開く方法【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

長かった日本代表の主力定着までの道のり



 代表通算ゴール数が23となり、憧れの存在だった高原直泰に並ぶ歴代10位タイに浮上したのも目を引く部分。その上には31点の香川、37点の本田圭佑、50点の岡崎という「旧ビッグ3」がいるが、大迫はようやく彼らに肩を並べる道筋が見えてきたのだ。

 2010年南アフリカW杯から8年間、代表をけん引してきた本田らに比べると、大迫は地位確立に長い時間がかかった。思い起こせば初めてA代表に呼ばれたのは、2010年1月のイエメン戦(サナア)。吉田や槙野智章らが代表デビューする傍らで、彼は出番なしに終わった。次の招集は2013年夏のEAFF東アジアカップ。中国戦でデビューし、オーストラリア戦では代表初得点を奪ったが、柿谷曜一朗の後塵を拝していた。

 この状況を覆すきっかけになったのが、2014年1月のドイツ移籍。当時2部の1860ミュンヘンで後半戦だけで6ゴールをゲット。これで2014年ブラジルW杯では1トップのファーストチョイスに躍り出たが、初の世界舞台では結果を残せなかった。その後も代表には呼ばれたり呼ばれなかったり。2015~16年にかけては選外になることもあった。

 頭打ち感も漂った点取り屋の風向きがガラリと変わったのは、2016年11月のオマーン戦(鹿島)。そこから「前線でタメを作れるターゲットマン」として重用され始めたが、得点源としては物足りなさもあった。実際、大舞台で勝利を引き寄せたゴールは2018年ロシアワールドカップ初戦・コロンビア戦の決勝弾くらい。「旧ビッグ3」に比べるとインパクトが薄かった。

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