小泉佳穂なしで浦和レッズの攻撃は成り立たない。「文句なし」と振り返る決勝ゴールを生んだ「判断の共有」とは?【コラム】

2021年06月28日(月)11時20分配信

シリーズ:コラム
text by 元川悦子 photo Getty Images
タグ: , , , , , , , , , , , ,

「不可欠なピース」と評された男の特徴



「自分の特徴でもあるゴールに絡むプレーでチームを勝利に導きたい。勝利への貪欲なメンタリティを見せたいと思います」

 今年1月の新入団会見で力を込めた小泉だったが、開幕当初はJ1の強度や球際の激しさ、リカルド監督の戦術理解や連係面とあらゆる部分に苦しんでいた。0-3の完敗した3月の横浜F・マリノス戦後には「マリノスとはチームの完成度が違う。自分たちが何をすべきか模索している最中」とビルドアップの仕方に戸惑っている様子も見受けられた。直後の北海道コンサドーレ札幌戦ではボランチで出場するも、厳しいマークにさらされ、ボールを失う場面が続出。もともとボランチの選手でないとはいえ、フィジカルコンタクトやボールキープの課題を露呈した。

 それでも、リカルド監督は「自身のサッカーを体現するうえで不可欠なピース」と小泉を位置づけ、攻撃力を発揮しやすいトップ下で主に起用し続けた。これにより、本人も徐々に強度や球際の部分に慣れ、自分らしい技術やアイディアを出せるようになっていく。ユンカー加入後はお互いのよさを引き出し合える良好な関係を構築し、小泉も躍動していった。こうして彼は今季開幕からリーグ戦全20試合に出場。出場時間1498分という岩波拓也に次ぐ数字を残すに至った。

「チームとしてのボールの動かし方がすごく安定してきて、意図を持った形でやれているので、自分もいるべき場所にいて、いい形でボールが入ってくることが増えた」と小泉はチーム全体の進化が自身の輝きにつながっていると説明した。が、わずか4カ月でここまでの適応力を発揮するとは、本人も周囲も驚いているのではないか。今や小泉なしでは浦和の攻撃は成り立たないと言っても過言でない。それほどの存在感を示しているのだ。

1 2 3 4 5

新着記事

↑top