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上田綺世「自分を表現して、自分にしかできないことを」。孤高のストライカーは日本代表でも自然体

text by 編集部 photo by Getty Images

上田
【写真:Getty Images】



 日本代表は11日のカタールワールドカップ・アジア最終予選のベトナム代表戦に向けて調整を続けている。

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 今回のチームには28人が招集されており、国内組も多い。東京五輪世代からもDF旗手怜央やFW前田大然などが本格的にA代表の一員となった。

 彼らと同じくU-24日本代表として東京五輪に出場したFW上田綺世もその1人。今季J1リーグ戦で13得点を挙げているストライカーは「チャンスだと思っています」と語り、A代表定着の機会をうかがっている。

「久々と言っても、ちゃんとA代表に呼んでもらえるのは初めてですし、コパ・アメリカは特殊な状況での活動だったので、こうして呼んでもらえたのはすごく嬉しい。僕のクラブでの活動を認めてもらえたのは自信になっているので、それを表現したいと思っています」

 上田が初めて日本代表としてプレーしたのは2019年夏のコパ・アメリカだったが、この大会には東京五輪世代を中心とした選手で臨んでいたため、実際は「U-22代表」に近い構成だった。海外組の主力選手もいるA代表に招集されたのは初めてだ。

 しかし、東京五輪を終えた後「正直、A代表は考えていなかったです」と明かす。なぜなら「とにかく自分の所属クラブで結果を残すことに集中していましたし、それ(クラブでの結果)がなければ代表活動には呼ばれない」から。

「自分のチームは鹿島アントラーズなので。代表を目指して鹿島でプレーしているわけではないですし、鹿島で優勝争いとか、ACL圏内とか、1つでも上の順位を目指すなかで僕は戦っているので、鹿島を第一に考えて結果を残す。それが認められれば、そういう(代表の)舞台も近づいてくる。もちろん代表が大事なのはわかっていますけど、まずは自分のクラブで何を表現するか、それを認めてもらえるかが大事なのかなと思います」

 上田は代表活動を特別に捉えるのではなく、あくまで日々の試合で結果を残すことで得られるチャンスだと考えている。それは東京五輪以前から変わらない姿勢だ。

 日本代表で起用されるなら、1トップのポジションになるだろう。上田が争わなければならないライバルたちは多い。これまで主力として重用されてきたFW大迫勇也をはじめ、スコットランドの強豪セルティックでブレイク中のFW古橋亨梧、さらには東京五輪代表でも共にプレーした前田などもライバルになる。

「(同じポジションの)選手は多くいますけど、同じ特徴を持っている選手はいないと思うし、自分にしかできないことをピッチの中で表現して、必要だと思ってもらえれば試合に出られると思うので。まずは自分を表現して、自分にしかできないことを出していきたいと思います」

 上田は味方からのパスに対する鋭い動き出しや、相手DFとの駆け引きの巧さ、そしてゴール前での冷静なフィニッシュなどを磨き、得点パターンやプレーの引き出しを増やすために研鑽を積んできた。

「ゴールに向かうプレーだったり、動き出し、ゴールに関わること、ゴール前での駆け引きを求められていると思いますし、何より結果を残してほしいと思ってもらえていると思うので、結果を第一に考えながらチームのために、その瞬間に何が必要なのか考えながらプレーすることが大事だと思います」

 孤高のストライカーはA代表で競争できるだけのクオリティを示せるだろうか。世代別代表時代から大きな期待を寄せられてきた生粋の点取り屋が、ワールドカップ予選でキーマンになれば、日本代表のポジション争いはもっと面白くなる。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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