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Jリーグ 2年前

FC東京のアルベルト監督招へいは大当たりとなるかもしれない。その条件は? アルビレックス新潟に築いたスタイルとは…【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

プッチ監督が苦戦したのは…



 昨季のチームは十分に試合を支配しきれず、結果を物にするためには個人の力に頼らなければならないことも多かった。新型コロナウイルスの影響により試合間隔が短く、選手たちが監督の具体的な指導に応えるトレーニングに取り組むのが難しかったこともあり、2020シーズンは最終的に昇格ラインと27ポイント差の11位という成績で終えることになった。

 だが今季ははるかに力強いスタートを切ることに成功する。3月末には東京ヴェルディを7-0の驚異的スコアで粉砕するなど、計17得点を挙げての開幕5連勝でJ2序盤戦をリードしていた。最終的に開幕からの連続無敗は13試合にまで伸ばしている。

 だが主力選手の負傷離脱もあり、シーズンが進むにつれて失速してしまった。本間至恩など試合を変えられる力を持ったタレントの不在を埋めきれなかったことに加えて、対戦相手もアルビレックスのスタイルに対して受動的に対応する方法を覚え始めた。ラインを下げ、新潟の使いたいスペースを狭めることに専念する相手も多かった。

 ヴェルディ戦の大勝以外にも、開幕直後にはギラヴァンツ北九州に4-1、ザスパクサツ群馬に3-1の勝利を収めた試合があったが、その後はシーズンを通してわずか3回しか1試合3得点以上を挙げることができていない。現時点で40試合中13回の引き分けを記録しており、無得点の試合も9回を数えるなど、守備を固める相手を崩しきれず苦戦してきた。

 それでもプッチは、自身のアプローチを貫くタイプの監督だ。どんな手を使ってでも勝つために戦い方を変えようとはしなかった。

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