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リバプールはなぜ手こずったのか? 「75分間は我々が優れていた」の真意。帰還したジェラードに勝ったが…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

CL優勝を見据えるのであれば…



 他ならぬペップ・グアルディオラは、バルセロナ→バイエルン・ミュンヘン→マンチェスター・シティとチームが移り変わる過程で、ボール奪取後の攻撃をポゼッションという枠の中に留めずに加速させながら、同時にフィニッシュワークの質を高めてきた。それと同じように、リバプールも攻撃のギアをトップに入れながら、いかにフィニッシュの質を保てるかどうかが、現在の“課題”なのだろう。

 もちろん試合によっては、攻撃が加速してもフィニッシュワークの質を保ち、大量得点という成果に繋げることもある。しかし今回のアストン・ヴィラ戦では、内容では圧倒できても、スコアで圧倒することはできなかった。もちろんカップ戦も平行して戦う過密日程の中では、シーズンが進めばどうしても疲労の影響は出てくる。さらに、ジェラード監督のように守備組織の整備に長けた指揮官が率いるチームとの対戦では、敵のブロックの攻略に手こずる試合も出てくるだろう。

 だが、プレミア制覇、CL優勝を見据えるのであれば、最後の局面でのディテールの質を高めることにこだわらざるを得ないし、生き馬の眼を抜くフットボールの世界で天国と地獄を潜り抜けてきたクロップ監督であれば、こだわるだろう。

(文:本田千尋)

【了】

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