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リバプールはなぜ手こずったのか? 「75分間は我々が優れていた」の真意。帰還したジェラードに勝ったが…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

プレミアリーグ第16節、リバプール対アストン・ヴィラが現地時間11日に行われ、1-0でリバプールが勝利した。アンフィールドに帰ってきたスティーブン・ジェラード率いるアストン・ヴィラを下したものの、ゴールを奪う局面では苦戦を強いられた。リバプールがリーグ優勝、欧州制覇を目指すうえで、課題となっているものとは。(文:本田千尋)


帰還したレジェンドとリバプール

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【写真:Getty Images】

 帰還した“レジェンド”を寄せ付けなかった。

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 現地時間12月11日に行われたプレミアリーグ第16節。ユルゲン・クロップ監督は、敵将のスティーブン・ジェラード監督に格の違いを見せつけた。

 リバプールは序盤からボールを支配してアストン・ヴィラを圧倒。86分にGKアリソンがクリアし損ねてドタバタする場面もあったが、90分間を通してテンポの速い攻撃を仕掛け、相手を敵陣に押し込み続けたリバプールは、アンフィールドに帰ってきた“生ける伝説”が率いるアストン・ヴィラを1-0で退けた。支配率は62.3%を記録し、何より敵に許した枠内シュートは0本だった。

 クロップ監督は試合後に次のようなコメントを残し、ジェラード監督に比べれば数え切れない程の修羅場を潜った指揮官としての貫録を示した。

「75分間に渡って、確かに我々の方が優れたチームだったと思う。ほんの少し我々がリズムを失ったので、最後の15分間はオープンな展開になったが、明らかに75分間は我々の方が優れたチームだったね」

 選手時代のキャリアを比較すれば、ユルゲン・クロップはスティーブン・ジェラードに遠く及ばないだろう。しかし、フットボールの世界では、今、目の前の今こそが戦場であり、今戦えるかどうかが問題なのだ。

 その意味では、2021年12月11日に目の前のアンフィールドで輝いていたのは、選手として伝説的なキャリアを持つジェラードではなく、監督として伝説的な夜を築き上げてきたクロップだった。ボルシア・ドルトムントを率いていた時代から、幾多の天国と地獄を潜り抜けてきた将として、クロップ監督は、ジェラード監督を圧倒したのである。

 アストン・ヴィラ相手に優勢に試合を進めたとは言え、リバプールがパーフェクトだったわけではない。試合後にクロップ監督は、“課題”について次のようにコメントを残した。

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