さらなる変革が待つ浦和のキーマンは…

　阿部とともに浦和を去る槙野は「若くて経験のない選手は沢山いますけど、僕らベテランの空気を感じ取ってくれている。来年は3か年計画の3年目。それを率先してけん引してくれると思います」と残る面々にメッセージを残した。

　それを受ける側の関根も「僕たちがやるしかないですし、先輩たちがどれだけのことをやってきたかと見てきたので、負けないくらいの強いチームを自分たちも作っていきたい」と決意表明をしてみせた。

　柴戸や伊藤らも同じ気持ちだろう。来季の浦和は天皇杯王者としてACL参戦が決まり、J1タイトルにもトライしなければならない。ハードルはどんどん高くなる一方で、新戦力加入などさらなる変革も待っている。だからこそ、攻守両面をつなぐボランチ陣に課される役割は大きくなる。これまで以上に強度や質を高め、リカルド監督が求める多様性に磨きをかけるなど、やるべきことは山積しているのだ。

　この1年で柴戸は確実にスケールアップし、新加入だった伊藤と平野も期待以上のパフォーマンスを見せたが、ここで満足しているわけにはいかない。阿部を超えるべく、さらなる高みを目指して突き進んでいくべきだ。来季の浦和の成否は彼らボランチ陣にかかっているといっても過言ではない。

（取材・文：元川悦子）

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